マイクロチップ用開発環境を構築

マイクロチップ用のソースを修正する作業が生じた為、Windows で、環境構築をしてみた。

遠い昔に、マイクロチップが出始めた時に、自分でアセンブラを実装して開発した覚えが
あるが、最近は、AVRやルネサスがメインとなり、使わなくなった。

開発環境が有料な事や、プログラマーが高いのも敬遠する理由ではある。
・プログラマーを自分で作る事もできそうだが、種類が多いので大変そうだ・・・
・60日を過ぎると、無料版は、最適化が「-O1」のみとなる。
※一応ソースコードが入手できるので、パッチを当てて、制限を回避する事も出来るよう
だが・・・
・現状で、C++14 のコードをコンパイル出来ないのは、まともなコンパイラとは思えない。

PICの良い面は、デバイスの入手性、バリエーションの多さ、「コスパ」なのだと思うが
自分はメリットを感じない。

今回使うチップは、「PIC24EP256GU810」で、「MPLAB C30」をインストールした。
※コンパイラは魔改造された gcc のようだ。

例によって、IDEを使わず、コマンドラインで開発したいので、Windows、MSYS2 で動作
させてみた。
以前から少しづつアップデートしている独自の「Makefile」を PIC30 用に修正しておこなった。
※この「Makefile」は、非常に柔軟性が高い!
従属規則の生成も全く問題無く、正常に生成された。
そして、暫く格闘したが、コンパイルしてリンクできるようになった。

・MPLAB C30 にパスを通す。(PATH=$PATH:/c/’Program Files (x86)’/Microchip/’MPLAB C30’/bin)
・デバイスを指定する。(-mpu=24EP256GU810)
・適切なコンパイルオプションを選ぶ。(-mlarge-code -mlarge-data -mlarge-scalar -mconst-in-data)
・適切なリンクオプションを選ぶ。(-T p24EP256GU810.gld –heap=1024 –stack=1024)

これだけ行って、コンパイル、リンクが通った。

#=======================================================#
#                                                       #
#    PIC C30 Makfile                                    #
#                                                       #
#=======================================================#
TARGET  =   farm

DEVICE  =   24EP256GU810

BUILD   =   release

VPATH   =

ASOURCES =

CSOURCES =   ここにソースファイルを列挙する~

PSOURCES =   

USER_LIBS =

LDSCRIPT  =

USER_DEFS =

INC_SYS   =

INC_APP   =

OPTIMIZE  =   -O1 -mlarge-code -mlarge-data -mlarge-scalar -mconst-in-data

MCU_TARGET =   -mcpu=$(DEVICE)

CP_OPT   =   -Wall -Werror \
             -Wno-unused-variable \
             -Wno-unused-function \
             -fno-exceptions

#CC_OPT  =   -Wall -Werror \
#            -Wno-unused-variable \
#            -fno-exceptions
#CC_OPT  =   -x c
CC_OPT   =

SYSINCS  =   $(addprefix -I, $(INC_SYS))
APPINCS  =   $(addprefix -I, $(INC_APP))
AINCS    =   $(SYSINCS) $(APPINCS)
CINCS    =   $(SYSINCS) $(APPINCS)
PINCS    =   $(SYSINCS) $(APPINCS)
LIBINCS  =   $(addprefix -L, $(LIB_ROOT))
DEFS     =   $(addprefix -D, $(USER_DEFS))
LIBS     =   $(addprefix -l, $(USER_LIBS))

# You should not have to change anything below here.
AS       =   pic30-as
CC       =   pic30-gcc
CP       =
AR       =   pic30-ar
LD       =   pic30-ld
OBJCOPY  =
OBJDUMP  =   pic30-objdump
SIZE     =
HEX      =   pic30-bin2hex

# AFLAGS =   -Wa,-adhlns=$(<:.s=.lst),-gstabs
# AFLAGS =   -Wa,-adhlns=$(<:.s=.lst)
# ALL_ASFLAGS = -x assembler-with-cpp $(ASFLAGS) $(DEFS)
ALL_ASFLAGS  =   $(AFLAGS) $(MCU_TARGET) $(DEFS)

# Override is only needed by avr-lib build system.

CFLAGS  =   $(CC_OPT) $(OPTIMIZE) $(MCU_TARGET) $(DEFS)
PFLAGS  =   -std=c++14 $(CP_OPT) $(OPTIMIZE) $(MCU_TARGET) $(DEFS)

# override LDFLAGS = $(MCU_TARGET) -nostartfiles -Wl,-Map,$(TARGET).map -T $(LDSCRIPT)
# override LDFLAGS = $(MCU_TARGET) -T$(DEVICE).gld,--defsym=__MPLAB_BUILD=1,--defsym=__MPLAB_DEBUG=1,--heap=1024,--stack=1024,-Map="VTS-10a.map"
override LDFLAGS = $(MCU_TARGET) -T p$(DEVICE).gld --heap=1024 --stack=1024

OBJCOPY_OPT  =   --srec-forceS3 --srec-len 32

OBJECTS =   $(addprefix $(BUILD)/,$(patsubst %.s,%.o,$(ASOURCES))) \
            $(addprefix $(BUILD)/,$(patsubst %.c,%.o,$(CSOURCES))) \
            $(addprefix $(BUILD)/,$(patsubst %.cpp,%.o,$(PSOURCES)))

DOBJECTS =  $(addprefix $(BUILD)/,$(patsubst %.c,%.o,$(CSOURCES))) \
            $(addprefix $(BUILD)/,$(patsubst %.cpp,%.o,$(PSOURCES)))

DEPENDS =   $(patsubst %.o,%.d, $(DOBJECTS))

.PHONY: all clean
.SUFFIXES :
.SUFFIXES : .rc .hpp .s .h .c .cpp .d .o

all: $(BUILD) $(TARGET).elf

$(TARGET).elf: $(OBJECTS) Makefile
    $(CC) $(LDFLAGS) $(LIBINCS) -o $@ $(OBJECTS) $(LIBS)
    $(HEX) $@ $(TARGET).hex

$(BUILD)/%.o: %.s
    mkdir -p $(dir $@); \
    $(AS) -c $(AOPT) $(AFLAGS) $(AINCS) -o $@ $<

$(BUILD)/%.o : %.c
    mkdir -p $(dir $@); \
    $(CC) -c $(COPT) $(CFLAGS) $(CINCS) $(CCWARN) -o $@ $<

$(BUILD)/%.o : %.cpp
    mkdir -p $(dir $@); \
    $(CP) -c $(POPT) $(PFLAGS) $(PINCS) $(CPWARN) -o $@ $<

$(BUILD)/%.d: %.c
    mkdir -p $(dir $@); \
    $(CC) -MM -DDEPEND_ESCAPE $(COPT) $(CFLAGS) $(APPINCS) $< \
        | sed 's/$(notdir $*)\.o:/$(subst /,\/,$(patsubst %.d,%.o,$@) $@):/' > $@ ; \
        [ -s $@ ] || rm -f $@

$(BUILD)/%.d: %.cpp
    mkdir -p $(dir $@); \
    $(CP) -MM -DDEPEND_ESCAPE $(POPT) $(PFLAGS) $(APPINCS) $< \
        | sed 's/$(notdir $*)\.o:/$(subst /,\/,$(patsubst %.d,%.o,$@) $@):/' > $@ ; \
        [ -s $@ ] || rm -f $@

clean:
    rm -rf $(BUILD) $(TARGET).elf $(TARGET).mot $(TARGET).lst $(TARGET).map

clean_depend:
    rm -f $(DEPENDS)

後は、書き込んでテストとなるが、ライターは自作する時間も惜しいので、仕方なく
「PICkit3」を買う(5700円)事にする。(自分のお金じゃ無いけど・・)
IMG_0898s
※自分は、デバッグ機能(トレース、実行など)が必要になった事が少ないので、
フラッシュ書き込みさえ出来れば、満足なのだけど・・・

やはり、コンパイラが有償(無償版は60日過ぎると、最適化できなくなる)なのは、最
悪だと思う、自分的には、仕事以外では絶対に使わないデバイスだと思う。

追記:
Windows10 のノートにもPICの開発環境をインストールしたが、コンパイラを走らせる
と「ライセンスがどうの」と言ってきてエラーになる・・・
調べると、「mplabc30-v3_31-windows-installer.exe」のバージョンに起因する、
license-lm 関係のバグのようだ、そこで、「v3_30」を取ってきてインストールした。

—–
やっぱり、ルネサス系、R8C、RL78、RXマイコンが最高だと、再認識する。
※コストでは、PICに武がある事は認めるのだけど・・・

18650電池ボックスの製作

18650単セルの放電など行っていて、接触抵抗の少ない電池ボックスがあると
便利だ。

一般に売られている汎用電池ボックスは、スプリング式の電極なのだが、構造上の
問題で、接触抵抗が不安定で、使い物にならない場合が多いようだ。
充電、放電電流が小さい場合は、それでも良いが、1Aくらいだと、接触抵抗の増
大により、充電電圧、電流の制御が不安定になり、充電が正しく行われなかったり
する場合もある。

そこで、通販で売られている引きバネ式の充電器に習って、同じような構造で、電
池ボックスを自作してみる事にした。

まず、どうやって作るか?

色々考えた末、両面スルホールのユニバーサル基板を組み合わせて作る事にした。
※以前に、自動車の車内ランプをLED化した時に、電極と、基板のスルホールを
利用して半田付けする事で、製作性と強度を確保しつつ、自由に形状を作れる事が
あった、この方法を電池ボックスにも応用してみた。
スルホールのユニバーサル基板は、値段が高いので、少しもったいないけど、試み
としては面白いと思う。
2.54mmを「単位」として適当に考えた。
※作ってからタイトにしすぎた事に気づいた・・・
※毎度の事だが、構造が懲りすぎと思える、ただの電池ボックスなのに・・・
ただ、コストを出来るだけ抑える工夫はしている。

各部品:
img_0885s
コンターマシンがあるので、ガラスエポキシの基板を切り出すのは簡単だけど、切
断面はシャープでは無いので、ベルトグラインダーで整えて、リューター、ヤスリ
などで、曲面を切り出したり、整形する。
※電動リューターは、以前に友人から貰った物だが、細かい加工がやりやすい優れ
ものだ。

組み立てた状態:
img_0886s

銅線とスルホールを利用して、コーナーをハンダ付け:
img_0887s

スライド接点の作成:
img_0889s
内径3mmのジュラコンをスライドメタルに使って、3mmのステンレス棒をスラ
イドガイドにしたものの、「引きバネ」では意外とスムーズに動かない事が判明。

とりあえず、「引きバネ」じゃなくて、押しバネなら大丈夫そう・・

強力な「押しバネ」が手元に無いので、とりあえず、保留だな、残念・・・
まぁ、こんな事は良くあるwww

18650リチウムイオンセル

去年くらいに、18650タイプのリチウムイオンセルを複数購入していた。

img_0876s

モバイルバッテリーを自作したかったのが主な理由だったが、大きな電流を流
す場合、電池ボックスでは、接触抵抗が大きくて駄目なのがハッキリしている。
そこで、スポット溶接機を自作する予定で、部品を集めだしたが、面倒になっ
て、伸び伸びになっている・・・

最近、YouTube を観ていたら、「eBay Fake 18650 cell」関連の動画がかなり
眼に止まり、以前に買ったセルの容量を確認しておく必要があるだろうと思い
たった。
Fake ebay batteries 18650
※中国には、「Fake USB Memory」など、巧妙に騙してお金を稼ぐ商売が普通に
あり、注意(安いだけの事はある)しなければならない、恐ろしい国だ・・・
酷いセルは、中に砂が詰められているだけの物もある~

そこで、フル充電を行ったセルで、放電を行い、容量を確認してみた。

※充電には、TP4056を使った中華のリチウム・イオン・バッテリー・
チャージャー・モジュール(110円)。
img_0878s
このモジュールは、1A程度で充電が行え、バッテリーの過放電保護、インジケ
ーターLEDなども付いている優れ物だ。
充電中は「赤」、充電完了で「青」
普通に考えて、これだけの物を110円で作る事は到底不可能だ・・・

※放電試験には、「PERFECT NEO」を使い、0.5Aで放電を行った。
img_0882s
このマルチチャージャー、ディスチャージャーは、機能が豊富。
※リチウムイオン電池に表示されている容量は、定電流で放電を行い、終始
電圧になった時の積算時間から決めているようだ。
当然、内部抵抗はそれなりにあるので、放電レートを大きくする程、みかけ
の容量は小さくなってしまう。
一般には、0.2C(2500mAhのセルで500mA)程度で試験する
ようだ。
また、終始電圧は2.75V前後のようだが、通常の運用では、セルの寿命
を考えた場合、3V程度にする方が良さそうで、その場合、容量は若干少な
くなる。

(1)SANYO UR18650A: 3.6V 2250mA
(2.75V)実測:41g(規格表の値:43g)
・Amazonで購入(@635円)
最終電圧:2.9V、236:41 (2003mA)※これは問題無し!

(2)ICR 18650: 3.7V、2200mA
(2.75V)、実測:42g
※マイナス側に「UltraFire」の刻印があるが、保護回路は内臓さ
れていないようだ。
・Amazonで購入(@400円)
6番セル(仮名)
最終電圧:2.9V、175:22 (1510mAh)※不良か?
※このセルは6本買ったが、どれも、容量が大幅に小さく、Fakeを掴ま
されたようだ・・・(涙)

(3)Li-ion 18650 3.7V、2600mA(プルタブ付)
47g
・Yahooオークションで購入(@420円)
最終電圧:2.9V、286:16 (2453mAh)※問題無し!

—–
自作機器に使う場合は、プルタブが付いている方が便利なので、ノートPC
用のバッテリーパック(新古)を購入して、分解してセルを取り出した方が
良いのではと思っている。
オークションでは、そのような分解セルを購入する事もできる。

—–
通常、購入時には、保管に適した(50%充電)状態で来る、この時、電圧
は3.8V前後となっており、それが、著しく低い場合などは、セルの不良
が考えられる。
※ICRの6番セルがそれにあたる。

RXマイコン用スタートアップのバグ

今まで、RXマイコンで、挙動が怪しい事があって、その原因が判らなかったが、
やっと判明した・・・

症状としては、
・スタックに配置した変数が書き換わる場合
・割り込みが多重に起動するような場合に多く発生
・多重じゃなくても割り込み関連が絡む場合など

どうもスタックが壊れている感じではあるけど、プログラムを追っても、問題無
さそう・・・

RXマイコンでは、スタックは、割り込み用スタック(ISP)と、ユーザース
タック(USP)に分かれていて、起動時、「start.s」のアセンブラプログラム
で設定されている。
ISPをメモリーの後半に置き、その手前にUSPを設定している。
当初、ISPの容量は32バイトくらいしか無かったので、256バイトにした
が、症状に変化は無い・・・

    .text
    .global  _start
    .type    _start,@function
_start:

# スタックの設定(SP:__stack、USP:__stack - 128)
    mov.l       #__stack, r0
    mvtc        r0, isp
    sub         #128,r0
    mvtc        r0, usp

ソフトウェアーマニュアルを読み直していたら、何と「R0」レジスタと「SP」
は扱いが同一となっていた!

汎用レジスタ R0 には、汎用レジスタとしての機能に加えて、スタックポインタ
(SP)としての機能が割り当てられています。

あ!、「R0」は使ったら駄目なんだ・・・・・・・・・

そこで、単純に、レジスタ名を変更

    .text
    .global  _start
    .type    _start,@function
_start:

# スタックの設定(SP:__stack、USP:__stack - 128)
    mov.l       #__stack, r5
    mvtc        r5, isp
    sub         #128,r5
    mvtc        r5, usp

この修正後、今までのおかしな挙動が直った。

今まで、結構大きなプログラムを動かしていたけど、よく動いてたなぁ・・・

経験的に、レジスターセットの後ろ(R15とか)にSPを置いてあるのが普通と
思っていたから、何も考えずに、R0を使ったのが間違いだった・・・
※ソフトウェアーマニュアルを良く読まなかったのが悪いのだけど・・・

—–
RXマイコンでは、スーパーバイザーモードとユーザーモードのRUNレベルがあり、
通常はユーザーモードで動作させる。

ユーザーモードで特権命令を実行すると、「特権違反例外」が発生する。

ユーザーモードに移行するには、「rte」命令などを実行した場合に、退避してあった
ステータスレジスターを復帰するが、その際、ユーザーモードフラグが有効になって
いれば、ユーザーモードに移行する為、以下のような、少しキワドイプログラムで移
行する。

# PMレジスタを設定し、ユーザモードに移行する、ユーザースタックに切り替わる
    mvfc    psw,r1
    or      #0x00100000, r1
    push.l  r1

# UレジスタをセットするためにRTE命令を実行する
    mvfc    pc,r1
    add	    #10,r1
    push.l  r1
    rte
    nop

※PCにオフセットを加える事で、RTE命令の下に復帰する。