DELL U2718Q の修理(その2)

電源が豪華

このモニターの電源はかなり豪華な創りでコストをかけているように思う。


モニターの要は、液晶よりも電源なんだと実感する。

こんなに豪華な創りの電源は久々に見たー
※AppleのACアダプターを分解した時にも、使っている部品や構成など、凄く感心したが、それと同等くらいの感動がある。

AppleのACアダプターの場合は、コンパクト化で、ありとあらゆる空間を有効に活用する為、3次元的に部品を配置して、全く隙間が無かった。
この電源はスペースには余裕があるので、一見、部品の配置はスカスカだが、裏面には、かなり表面実装の部品を配置してある。

使っている部品もグレードが基本的に高いように思う。

消費電流はそんなに多く無いけど、ちゃんとPFC対策電源になっている。

制御ICの型番は、削ってあり、消されている。

最終段は 18V で、そんなに電流は流れないけど、FETによる同期整流回路を採用しているようだ。

この電源なら、簡単に故障しないだろうと思われる。
※どこぞの中華電源とは、全く別次元のグレードw


コンデンサが到着

コンデンサが到着したので、部品をハンダ付けするものの、パターンが広く、熱が拡散して、思ったようにハンダ付け出来ない。
※秋月の送料は、1万円くらいじゃないと無料にならないが、500円くらいなので、他に欲しかった部品を少し加えて、通販した。
それでも、秋葉原に行って帰ってくるだけで、2500円くらいかかり、往復6時間は電車に乗る事を考えると、2、3日かかってもかなりマシだ・・・

鉛フリーのハンダも、このような場合にはハンデとなると思うが、それにしてもかなりヘタクソ・・・
でも、一応、ちゃんと付いている事を確認した。

うっかり外した電源コネクタ近くの電解コンデンサは、頑張っても、ハンダを吸引出来なかったので、ストックしてあった物を無理やり付けた。
※220uF、25V

一部のコネクタを壊していた

最初に分解する時、この部分のフレキコネクタを壊してしまった、よく見えなかったのが原因だが、かなり気を付けていたつもりなので、自分的にかなり精神的ショックが大きい。

コネクタを交換する事も考えたが、これは、液晶パネルの温度を計っているらしいので、まぁ、無くても問題無いと判断した。
一応、ケーブルを挿して、隙間に厚い紙(名刺)を挟んで、何とかなったと思う。

このフレキコネクタと同じ物を探すのも大変そうで、通販に日数がかかると思うし、交換の手間もスキルもかなり高い。

あすか修繕堂

と呼ばれるネットショップ(YouTubeに修理の動画が沢山ある)に、

あすかリムーバー

「低温ハンダ」が紹介されている、これを使えば、取り外しは可能と思うが、3cmで600円と高価だ・・

組み立て

いつも後悔するが、分解する前に写真を撮っておくべきなのだが、今回も忘れている。

分解の様子は、その時は覚えているが、数日たつと、どうなっていたか忘れている・・・
組み立ては、パズルのようだが、そこまで難解ではなかったので、何とか元に戻せた。


一応直ったようだー

電源を入れてみるー

電源ランプが点いて、画面にロゴが表示された、どうやら直ったようだー


一応、MacBook Pro 13 に接続してみた、問題無い。

直る事が判っていれば、モニターを注文しなかったのだが・・・

折角直ったのだから、メインモニターに戻すべきなのだが、買ったばかりのモニターなので、迷うところ、一番の問題は、間違って解像度が低いモニターを買ってしまった事だ、同じ解像度なら、新品モニターを迷わず使うのだが・・・

でもまぁ、やはり解像度が高い以前のモニターを使うべきなのだろうなぁー・・・

DELL U2718Q の修理(その1)

何の前触れもなく・・

土日は、もて耐で、家を空けていた、仕事部屋は、日中、かなりの高温になるので、この時期エアコンが欠かせない。

日曜の夜遅く、戻って、速攻でエアコンの電源を入れて、ビールを飲みながら扇風機を浴びていた。
夜遅かったので、それなりに温度は下がっていたものの、30度くらいはあったと思う。

PCの電源を入れて、ログインして、ブラウザを立ち上げメールをチェックする。

そして、荷物の整理をして、もう一度画面を観ると、真っ暗だった。
あれ、おかしいなぁーと思い、マウスを動かしたり、キーボードを触ったりしたが何も変化が無いー

PCを強制シャットダウンして、もう一度起動するが、やはりブラックアウトで変化無し・・・

モニターの電源ボタンを押すが、何も変化無し・・・

モニターの電源ケーブルを抜いて、挿し直すなど一連の手順をするも、変化無し・・・

このタイミングで壊れるのか!?

とりあえず、以前にPS4のモニターとして使っていた17インチの小型モニターに繋いでみた、画面は小さいがちゃんとPCは起動して画面が出る。

保障を確認、そして分解

自分は、オプションの長期保証プラン的な物には入らない主義なので、このモニターの保証期間は去年の8月に終了している。
※購入してから2年くらいしかたっていない・・・

YouTube の修理動画などを多く観ていたので、このモニターも、電源系のどこかが壊れているものと予想した。

そこで、とりあえず、分解してみたー。

まず、見えるネジを外す、シールで隠されているネジは無かった。

意外と重宝した、タイヤレバー(バイクのタイヤをホイールから外す工具)

パネルの分解が一番難解なのかもと思う、どのような構造なのか、想像するしかない。
しかし意外と簡単に、隙間を開くと、裏蓋が少しづつ開いていく、硬い部分は、タイヤレバーなどを使って、少しづつ開いていく、コーナーは、剛性が高く、頑丈だったが、爪が折れる事なく、綺麗に裏蓋を外す事が出来た。

フレキケーブルなどを外し、電磁波対策の金属ケースを外して、メインボードを出してみる。

このモニターは大まかに3つのボードに分かれている。

・電源ボード
・メインボード
・液晶ライト制御ボード(と思われる)

解析

とりあえず、ACコードを繋いで、電圧をチェックしてみる。

メインボードの主要な電圧を計るとやはり「0V」。

今度は、メインボードと電源を繋ぐコネクターを外して電圧を計る。

ACラインは、正常でPFC対策がしてあり、直近のコンデンサには380Vの電圧が出ている。
最終出力は、18Vくらいのようだ、電源だけだと正常のようだ。
それにしても豪華な創りの電源だー

メインボードの電源ラインの「抵抗」を計ってみる、「4オーム」くらい、やはり、電源ラインのどこかがショートしているようだ。

一番最初に疑ったのは、電解コンデンサ、ルーペを使いよーく観察してみるが、膨らんでいたり、液漏れしていたりする様子は無い。

とりあえず、今日は眠いので、明日にでも、再調査する事にした。

新たにモニターを注文

修理には、それなりに時間がかかりそうなので、とりあえず、直近の仕事もあるので、替えのモニターを注文した。

今度も同じように27インチモニター、U2718Q は既に廃盤のようで、U2719D を注文した。
ここで、大失敗、急いでいたので、良く確認せず、4Kモニターでは無く、解像度が低い物を注文してしまった、これは、後に気がついた・・・

まぁそれでも、17インチのモニターよりは随分マシなので、到着を待つ事にする。

4kだと、高精細過ぎて、小さい文字が見えにくい場合もあるとか、自分に言い聞かせた・・・


U2718Q のメインボードは、eBay などに出品されていて、4000円程度で購入可能な事が判った。
※送料を合わせると6000円程度となる。

注文したモニターは水曜には到着した。
今度のモニターは、解像度は以前の物より低いものの、IPS液晶で、コントラストが高いように感じる。
文字がシャープな感じ。

解析を続ける

解像度が低いモニターを注文した事もあって、かなり落胆、動揺していた。

それで、何とか「復帰」させようと必死になっていた、液晶と接続しているケーブルを外して、基板だけを詳細に観察していた。

電源ラインには、220uF、25Vの電解コンデンサがあり、最初それを疑い、外してみたが、問題無いようだった。

次に回路構成を眺めていた、18Vから、スイッチングレギュレータで、必要な電圧を生成しているようで、それが4系統ある。
1系統(多分、USBハブの5V生成)は、二段目にあり関係無さそうだ。

3系統では、入力側に積層セラミックコンデンサが2個並列に並んでいる。
これらコンデンサの両端の抵抗を計ると4オームで、電源ラインと接続している事が判る、これは、入力段のバイパスコンデンサであると思われる。

ルーペでこれらを中心に観察したが、問題無さそうだった。

とゆー事は、この3系統の、スイッチングレギュレータICのどれかが死んだのか?

しかし、どう見ても、パッケージは正常で、破壊している兆候は無い。
※問題なのは、QFP の場合、型番の判断が出来ない点だ、壊れていても交換する部品の番号が判らない、調べるにしても、非常に沢山の中から探すのは骨が折れる・・・
※TI 製のようだが、確信は持てない、2 系統は同じ 14 ピンの QFP だが、1 系統は、8 ピンのチップ部品のようだ、4.7uH のインダクタがある。


一般的に、意外と IC は頑丈で、設計に問題が無く、熱的に安全なら死ぬ事は少ないと思われる。
それに、過電流保護などがしっかりしているので、破壊する事は少ないものと思われる。

それより、コンデンサなどの、部品の劣化が多く、大抵の故障は、それが原因だと、修理動画で、学習していた。

原因見つかる

電源の抵抗は 4 オームなので、電源は過電流で、保護回路が働き、0V となる。

それなら、外部に実験用電源を接続して、徐々に電圧を上げて、ある程度電流を流せば、壊れている部品が発熱するのでは無いかと考えた。


その前にもう一度、基板を観察、今度はスイッチングレギュレーター部の周辺だけを集中して観察していた。

すると、斜めからルーペで観察していたら、積層セラミックのバイパスコンデンサの横が僅かに割れて、クラックが入っているように見えた。
※隣に同じコンデンサがあり、隙間が狭く、見えずらい。

早速、ハンダステーションの電源を入れ、温度を最大にして、ハンダを大量に溶かして、コンデンサを外してみた。
※電源ラインはパターンが広く、熱が逃げるので、容量の大きいハンダコテじゃないとハンダが溶けない。

外して、電源の抵抗を計ると、ショートが解消している事が判った。
やはり、このコンデンサの劣化が原因のようだ、コンデンサ単体で抵抗を計るとやはり4オーム。

部品を調査

問題は、このコンデンサの容量だ、幸い、2個並列にあるので、正常の方も外して、容量を計ってみる。

どうやら、10uF のようだ、ただ、ここの電圧は 18V なので、25V 程度の耐圧は必要と思われる。

部品が手元に無いので、秋月に部品を注文した。
※昨日、打ち合わせで秋葉原まで出かけたのに、タイミングが悪すぎる・・・


今回はここまで。

RX マイコン用 FatFS のバージョンを最新版へ(ff14)

exFAT を有効にする

最近 64GB(SDXC) の SD カードを購入したので、RX72N Envision Kit でも試してみた。

FAT32 では、1つのファイルは最大 4GB までしか対応出来ず、SD カードの場合、32GB を超えるサイズは、標準で exFAT になっている。
exFAT は、もはや FAT32 とは、根本的に異なる構造のようで、新たに設計からやり直したファイルシステムのようだ。

FatFS では、exFAT をかなり前からサポートしており、ffconf.h の「FF_FS_EXFAT」を「1」にするだけだ。
リソースの少ないマイコンでも扱えるように、細かい工夫が色々してある、素晴らしいとしか言いようが無い。
何の苦労もなく利用できる事に、ChaN さんには感謝しかない。

ファイルが 4GB を超えるサイズを扱える事から、seek などの位置指定は 64 ビット仕様になるので、その修正も行った。
※FatFS では、「FSIZE_t」が 64 ビットで定義されている、exFATを使わない場合は、32ビットとなる。

ファイルリストは普通に取れたので、他も動作すると思えたが、ディレクトリの移動が出来ない・・・

調べると、exFAT の場合「f_getcwd」がカレントディレクトリパスを返さない・・・

これは、バグだろうと思い、良い機会でもあるので、ff13c から ff14 へアップグレードした。

しかし・・・

状況は変わらない・・・
何で?
と思い、f_getcwd の説明を読んでみたー

Note: In this revision, this function cannot retrieve the current directory path on the exFAT volume. It always returns the root directory path.

これは、仕様のようだ・・・

さて、どうするか・・・


カレントパスを自分で管理するしか無い

以前の実装では、自分で管理していたが、FatFS にその機能がある事が判り、FatFS の API を使うように変更したのに・・・

先祖返りとは・・・

そもそも、カレントパスの管理が一つのコンテキストなのは多少問題でもある。
※ FAT ではファイル名の文字コードが拡張2バイトで、ロケールに左右される問題点があった。(たとえば、アラビア語とに日本語を同時に利用出来ない)

FreeRTOSなどを使うようになって、複数のタスクから、ファイルシステムにアクセスする場合、カレントパスを共有するのは「少しマズイ」。

そこで、それを見越して、ファイルのアクセス関係を少し整理してみた。

ただ、複雑な相対パスなどを認識する事は出来ない簡易的な解析機能しか無い。


Micron 64GB SDXC カードの速度

※参考速度

Write: 'test.bin'
Write Open:  23 [ms]
Write: 684 KBytes/Sec
Write Close: 4 [ms]
Read: 'test.bin'
Read Open:  1 [ms]
Read: 1622 KBytes/Sec
Read Close: 0 [ms]

読み込み速度は、1.6M バイトもあるー

FreeRTOS 対応

FreeRTOS などで、マルチスレッドでファイルシステムを動かす場合、排他制御を有効にする必要がある。

ffconf.h の主要部分を書き換える。

#include <FreeRTOS.h>
#include <semphr.h>
#define FF_FS_REENTRANT 1
#define FF_FS_TIMEOUT   1000
/// #define FF_SYNC_t       HANDLE
#define FF_SYNC_t       xSemaphoreHandle

※「FF_FS_LOCK」は、「FF_FS_REENTRANT」の制御を行う場合、「0」にしておく必要がある。

ffsystem.c の修正。
このソースには、排他制御の呼び出しが集約されている、標準では、WIN32 関係 API の呼び出しになっているので、それをコメントアウトする。
FreeRTOS 用は、既に実装されており、コメントアウトされているので、そのコメントアウトを外して有効にする。

int ff_cre_syncobj (    /* 1:Function succeeded, 0:Could not create the sync object */
    BYTE vol,           /* Corresponding volume (logical drive number) */
    FF_SYNC_t* sobj     /* Pointer to return the created sync object */
)
{
    /* Win32 */
//  *sobj = CreateMutex(NULL, FALSE, NULL);
//  return (int)(*sobj != INVALID_HANDLE_VALUE);

    /* FreeRTOS */
    *sobj = xSemaphoreCreateMutex();
    return (int)(*sobj != NULL);
}

int ff_del_syncobj (    /* 1:Function succeeded, 0:Could not delete due to an error */
    FF_SYNC_t sobj      /* Sync object tied to the logical drive to be deleted */
)
{
    /* Win32 */
//  return (int)CloseHandle(sobj);

    /* FreeRTOS */
    vSemaphoreDelete(sobj);
    return 1;
}

int ff_req_grant (  /* 1:Got a grant to access the volume, 0:Could not get a grant */
    FF_SYNC_t sobj  /* Sync object to wait */
)
{
    /* Win32 */
//  return (int)(WaitForSingleObject(sobj, FF_FS_TIMEOUT) == WAIT_OBJECT_0);

    /* FreeRTOS */
    return (int)(xSemaphoreTake(sobj, FF_FS_TIMEOUT) == pdTRUE);
}

void ff_rel_grant (
    FF_SYNC_t sobj  /* Sync object to be signaled */
)
{
    /* Win32 */
//  ReleaseMutex(sobj);

    /* FreeRTOS */
    xSemaphoreGive(sobj);
}

標準では、exFAT は無効にしておく・・

一応、動作するようだが、もう少し、全体をチェックしたいので、標準では「無効」にしてコミットしておく事にする。

gcc-8 系での、strncpy などの警告

gcc-7 系から、strcpy、strncpy などを使う場合に、コピー先の配列サイズが、コピー元サイズより少ない場合、「警告」が出るようになった。
※サイズ不足でコピーが出来ない場合、終端「0」が抜けてしまい、問題が起こる、これを抑止するものだ。
※どのように判断しているのか不明だが、警告が出る場合と出ない場合があり、対処するのが難しい場合がある。
std::string などを使って、動的に配列を作れば良いのだが、組み込み系ではそうもいかない。

警告を完全に抑止するようなオプションを付ける事も方法の一つではあるのだが、それも、少し違う。

「ここは、まず、大丈夫なハズ」でも警告が出る場合は、以下のように抑止するようにした。

#pragma GCC diagnostic push
#pragma GCC diagnostic ignored "-Wstringop-truncation"
                strncpy(&dst[l], base, len - l - 1);
#pragma GCC diagnostic pop

また、strncpy の亜種を実装してある、名前空間「str」に置いてある。
「string_utils.hpp」
あらかじめ、コピーする最大サイズを -1 して、最後は「0」で埋める。

        static char* strncpy_(char* dst, const char* src, uint32_t len) noexcept
        {
            if(dst == nullptr || src == nullptr || len == 0) return dst;

            auto tmp = dst;
            --len;
            while(tmp < (dst + len)) {
                auto ch = *src++;
                *tmp++ = ch;
                if(ch == 0) {
                    return dst;
                }
            }
            *tmp = 0;
            return dst;
        }

文字列の扱いは、メモリが少ない場合システムの場合でも、少し考える必要がある。

std::string 専用のアロケーターを実装して、簡単なメモリ管理を実装するのも良さそうだが、RX24T 位のデバイスを考えると、有限のメモリで凌ぐのでも良いかと考えてしまう・・・

P-LAP III のセンサーを修理

今年の「もて耐」は3時間

今年は、縮小プログラムで、3時間耐久となりました。

自分が参加している「Blue Eyes」は、今年、超有名レジェンドライダー3人がゲストとして参戦します。

世界的都合で3時間耐久になってしまったものの、お手伝いで参加出来るのは非常に光栄でもあります。
※来年は、是非ライダーとして参加したいです。

「レジェンドライダー」は、「もて耐事務局」が、正式なエントリーリストを公開するまでお待ちください。

昨日は公開練習日でした

今まで、二回あった公式練習日は、両日、天気が悪かったのですが、昨日は、晴れて、ドライで走れたようです。
Blue Eyes のメインライダー(五十嵐さん)が一番時計の15秒9を出していました、流石ですーー

そして、恐るべきレジェンドライダー、実線を離れて30年、ほぼバイクに乗っていなかったのに、初めてのコース、初めてのマシンで、数十分乗っただけで・・・(69歳)
40秒くらいから始まり、周回毎に少しづつタイムを削っていきますー

ですがー、今回はフルグリッドで、台数が多く、クリアラップはほぼ取れない状況、そして、スキルの差が大きく、極端に遅いライダーもいます。
その中で、ほぼ毎周同じくらいの割合でタイムを削っていく・・・
確か、全体で8周くらいしたと思いますが、ベストを更新しなかったのは、2周くらいだったと思います。
そんな事が出来るものなのか、魔法のようで、非常に感銘を受けました。
車載カメラの映像を見ると、レコードラインにレールがあるかのように、綺麗にトレースしています。

1、2コーナーで観ていた人が、あまりにリラックスしていて、全く無理をしている感じがしないと言ってました。

流石、世界戦で優勝した実績は伊達ではありません・・


他のレジェンドライダーも凄くて、ここでは書ききれません、別の機会に・・・(濃いライダー三人もーー)



CBR-250RR レースベース車は、モノブロックと、JB-MAGTAN で武装!
そして、多分、「初」のヨシムラマフラー

P-LAP のセンサーが壊れてる

ライダーには気の毒でしたが、P-LAPのセンサーが壊れていて、走行タイムは、サインボードでした・・・

直るかどうか判らなかったけど、預かってきました。

センサー基板が腐食している

サーキットには、マグネットバーが埋設してあり、それを通過する事で、ラップタイムを計測する仕組みがあります。
※これは、レースで使うトランスポンダー(ループコイルゲート式)とは異なるもので、どこのサーキットでも大抵はあるようです。

センサーは、磁気を感知して、ラップタイムを計測します。


センサー部はシリコンが充填されており防水加工されていますが、不完全で、水が浸入して、腐食したようです。

よくよく観察しましたが、基板のパーターンは生きていたので、クリーニングして、「追いハンダ」してみました。

直ったようです。

センサー部にマグネットを通過させると、ラップタイムを計測します。

P-LAP III は区間タイムを計測可能

昨日知ったのですが、このラップタイマーは区間タイムを計測できるとの事。

えーーー、どのような原理なのか?

聞いた話では、
「区間タイム計測モードでは、4回計測で、1周とする」
と聞いたのですが、そんなハズはありません。
自分は、P-LAP I の壊れたセンサーをもらい、直して、自作の計測器で使っていますが、普通に1周で1カウントでした。

そこで考えられる事は、P-LAP III のセンサーはアナログ式で、センスした、磁気の強さを観ているものと思います。
区間タイム計測用のマグネットバーは、ラップタイム用より、磁力を下げているのだろうと思いました。
それなら、ラップタイムと区間タイムを分離計測できるものと思います、そして古いラップタイマーでも今まで通り計測できるものと思います。

GNU-RX 8.3.0 TFU の利用方法

GNU-RX 8.3.0 で、TFU(三角関数演算器)利用方法

多分、これで、使えるようになると思う。

関数プロトタイプは以下のようになっているようだ、この定義はincludeファイルには含まれないようで、-mtfu オプションを有効にすると、内部に組み込まれるようだ。

    // -mtfu=intrinsic
    void __init_tfu(void);
    void __builtin_rx_sincosf(float, float*, float*);
    void __builtin_rx_atan2hypotf(float, float, float*, float*);
    // -mtfu=intrinsic,mathlib
    float __builtin_rx_sinf(float);
    float __builtin_rx_cosf(float);
    float __builtin_rx_atan2f(float, float);
    float __builtin_rx_hypotf(float, float);

これら、ビルトイン関数を利用する場合、多分、事前に初期化関数を呼んでおく必要がある。

    __init_tfu();

後は、普通に関数を呼べば良いものと思う。

                float a = vtx::get_pi<float>() * 0.25f;
                float si, co;
                __builtin_rx_sincosf(a, &si, &co);
                utils::format("%8.7f: %8.7f, %8.7f\n") % a % si % co;
                a = vtx::get_pi<float>() * 1.75f;
                si = __builtin_rx_sinf(a);
                co = __builtin_rx_cosf(a);
                utils::format("%8.7f: %8.7f, %8.7f\n") % a % si % co;
Start test for 'RX72N' 240[MHz]
SCI Baud rate (set):  115200
SCI Baud rate (real): 115355 (0.13 [%])
CMT rate (set):  850 [Hz]
CMT rate (real): 849 [Hz] (-0.12 [%])
0.7853982: 0.7071068, 0.7071067
5.4977875: -0.7071068, 0.7071067

GNU-RX 8.3.0 で RX72N の機能を使える事が判った。

これで、RX72N に備わっている機能で、気になっていた部分の疑問は大体解決した。

ベンチマークについては、以下のような資料がある。

RXv3 CPU搭載RXファミリ 数値計算用ライブラリ関数ベンチマーク

コンパイラーオプションの自動判別

通常の gcc ソースコードを使ってビルドした、プレーンな gcc と、ルネサス版の魔改造 gcc で、オプションを自動設定する Makefile の制御文を考えてみた。

# rx-elf-gcc compiler version check
TARGET_ISA_TEXT := $(shell rx-elf-gcc --target-help | grep ISA)

# AS_DEFS       =   --defsym NOT_USER=1
ifeq ($(TARGET_ISA_TEXT), )
# gcc-7.5.0 current gcc source build
CC_DEFS     =   -mcpu=rx600 -Wa,-mcpu=rxv2
CP_DEFS     =   -mcpu=rx600
else # Renesas GNU-RX gcc
CC_DEFS     =   -misa=v3
# CP_DEFS       =   -misa=v3 -mdfpu -mtfu=intrinsic,mathlib
CP_DEFS     =   -misa=v3 -mtfu=intrinsic,mathlib
# CP_DEFS       =   -misa=v3 -mdfpu
endif

これは、gcc のオプションで「--target-help」を実行して「ISA」の文字列があれば「ルネサス版」と判断するもの。

GNU-RX 8.3.0 の最適化と倍精度浮動小数点オプション

Renesas GNU-RX 8.3.0 の最適化

Renesas GNU-RX の最適化は、通常の gcc (7.5.0) とは異なるようだー
より、深い最適化を行っている。

gcc-7.5.0 で、以下のプログラムをコンパイルすると・・

    typedef device::PORT<device::PORT0, device::bitpos::B1> LED;

    while(1) {
        utils::delay::milli_second(250);
        LED::P = 0;
        utils::delay::milli_second(250);
        LED::P = 1;
    }

論理演算を行ったコードが生成される。

ffc0029c:       cc 3e                           mov.b   [r3], r14
ffc0029e:       75 42 fa                        mov.l   #250, r2
ffc002a1:       75 2e fe                        and     #-2, r14
ffc002a4:       c3 3e                           mov.b   r14, [r3]

ffc002bc:       cc 3e                           mov.b   [r3], r14
ffc002be:       65 1e                           or      #1, r14
ffc002c0:       c3 3e                           mov.b   r14, [r3]

※中間に、「mov.l #250, r2」が挟まれてるのが多少痛いものの、まぁ普通だ。

Renesas GNU-RX では・・・

ffc00278:       f0 38                           bclr    #0, [r3].b

ffc00294:       f0 30                           bset    #0, [r3].b

ビット操作命令になっている。

RAYTRACE_sample が、361ms から 351ms に時間短縮したのも、他、細かい最適化によるものと思われる。
ルネサス社が魔改造したコンパイラは、高性能なのだと思われる。
※何故、gcc のオリジナルコードにマージしないのか?、疑問は残る・・・

Renesas GNU-RX 8.3.0 のオプション

倍精度浮動小数点命令を生成するには、コアが「RXv3」でなおかつ、「dfpu」を有効にすれば良いらしい。
※gcc のソースコードで、RX マイコンに関係する部分を少し読んでみた。

     -misa=v3 -mdfpu

なので、上記オプションを使って、簡単なコードで調べてみた。

    double a = 0.0;
    while(1) {
        utils::delay::milli_second(250);
        LED::P = 0;
        utils::delay::milli_second(250);
        LED::P = 1;
        a += 0.1;
        utils::format("%5.4f\n") % static_cast<float>(a);
    }

アセンブルリストを見てみると、確かに「倍精度浮動小数点命令」が生成されている、「a + 0.1;」の部分

ffc003d2:       fc c9 08 12 10                  dmov.D 72[r0], dr1
ffc003d7:       f9 03 00 9a 99 99 99            dmov.L #0x9999999a, drl0
ffc003de:       f9 03 02 99 99 b9 3f            dmov.L #0x3fb99999, drh0
ffc003e5:       76 90 00 11                     dadd  dr1, dr0, dr1
ffc003e9:       fc 79 08 12 10                  dmov.D dr1, 72[r0]

※ 64 ビットの IEEE-754 で定数 0.1 の表現は、0x3fb9'9999'9999'999a となる。
※ 64 ビットの定数をレジスターにロードするコストは大きい・・・

ちゃんと、倍精度の命令を生成しているので、RAYTRACE_sample を走らせてみた。

・・・逆に遅くなる。

調べると、dfpu を指定しない場合、常に32ビットで演算されていたものが、dfpu の指定で、部分的に64ビットの演算が行われる為のようだ。

実際にプログラムで利用する際は、細心の注意が必要だと思える・・・
※インテル CPU の場合、double を float にして計算すると、逆に遅くなるが、それとは対照的だ・・
でも、原理は理解は出来る。

それでも、64ビットの計算を、専用命令で行えるのは、ソフトエミュレーションに比べて格段に速いと思われるので、倍精度命令が生成される事実は心強い。

TFU についての調査

TFU については、仕様が公開されていないので、どのような物か、良く判らない・・・

gcc のソースコード「gcc/config/rx/rx.opt」を見ると・・・

EnumValue
Enum(rx_tfu_types) String(intrinsic) Value(RX_INTRINSIC)

EnumValue
Enum(rx_tfu_types) String(intrinsic,mathlib) Value(RX_MATHLIB)

とあるので、

    -mtfu=intrinsic

    -mtfu=intrinsic,mathlib

のどちらかを設定すれば良さそうだと判る。

「gcc/config/rx/rx.c」で、

    if (TARGET_TFU)
    {
      ADD_RX_TFU_BUILTIN (INIT, "__init_tfu", void);
      ADD_RX_BUILTIN3 (SINCOSF, "sincosf", void, float, float_ptr, float_ptr);
      ADD_RX_BUILTIN4 (ATAN2HYPOTF, "atan2hypotf", void, float, float, float_ptr, float_ptr);
      if (rx_tfu_type == RX_MATHLIB)
      {
        ADD_RX_BUILTIN1 (SINF, "sinf", float, float);
        ADD_RX_BUILTIN1 (COSF, "cosf", float, float);
        ADD_RX_BUILTIN2 (ATAN2F, "atan2f", float, float, float);
        ADD_RX_BUILTIN2 (HYPOTF, "hypotf", float, float, float);
      }
    }

となっている、
初期化の関数と思われる「__init_tfu」は、勝手に呼ぶコードが埋め込まれるのか不明だ。
※自動的に ctor に積まれるのかもしれない・・・

上記関数が演算器で演算されるものと思われるが、どのくらい効果があるのか不明・・・
また、現段階では、演算器が使われているかも不明で、何か、他に設定する事があるのかもとも思う。
とりあえず、TFU に関しては、調査を続ける。

Renesas GNU-RX 8.3.0 を使ってみる

はじめに

前の、投稿で、Renesas は GNU-RX 4.8.x ベースなので、サポートの可能性が低いと言ったが、あれは誤りだったーー

調べたら、「GNU Tools」 とゆー HP があり、ここに登録する事で、gcc-8.3.0 ベースの RX マイコン用ツールチェイン一式をダウンロード出来るようだ。
※ソースコードもダウンロード出来る。

登録が少し面倒で、登録したメールアドレスに起因するアクティベーションコードが発行され、そのコードが無いと、ツールをインストール出来ないようだが、コンパイラは制限無く使えるようだ。

ただ、gcc のソースツリーとは異なる実装を行っており、オプションが異なる。

「GNU Tools」は、「CyberTHOR Studios Limited」が保守管理しているようだが、ナゾの組織だ・・
※以前のKPITに類する物なのかもしれない。

それにしても、「知らない」とは恐ろしい・・・
このツールベースで、ルネサスの IDE から動かせば、E1エミュレータなどを使って、ステップ実行も出来そうに思う。

構成

このツールチェインは、以下のツールをまとめた物のようだ。

  • binutils_rx_2.24_2020q2
  • gcc_rx_8.3.0_2020q2
  • newlib_rx_3.1.0_2020q2
  • gdb_rx_7.8.2_2020q2

ターゲットヘルプの出力:

% rx-elf-gcc --target-help
The following options are target specific:
  -fpu                        Enable the use of RX FPU instructions.  This is
                              the default.
  -m32bit-doubles             Stores doubles in 32 bits.  This is the default.
  -m64bit-doubles             Store doubles in 64 bits.
  -mallow-string-insns        Enables or disables the use of the SMOVF, SMOVB,
                              SMOVU, SUNTIL, SWHILE and RMPA instructions.
                              Enabled by default.
  -mas100-syntax              Generate assembler output that is compatible with
                              the Renesas AS100 assembler.  This may restrict
                              some of the compiler's capabilities.  The default
                              is to generate GAS compatible syntax.
  -mbig-endian-data           Data is stored in big-endian format.
  -mcpu=                      Specify the target RX cpu type.
  -mdfpu                      Enable the use of RX DFPU instructions.
  -mgcc-abi                   Enable the use of the old, broken, ABI where all
                              stacked function arguments are aligned to 32-bits.
  -mint-register=             Specifies the number of registers to reserve for
                              interrupt handlers.
  -misa=                      Specify RX ISA version.
  -mjsr                       Always use JSR, never BSR, for calls.
  -mlarge-function-growth=    Permited value of the limit growth of large
                              function (in percent).
  -mlittle-endian-data        Data is stored in little-endian format.
                              (Default).
  -mlra                       Enable the use of the LRA register allocator.
  -mmax-constant-size=        Maximum size in bytes of constant values allowed
                              as operands.
  -mno-balign                 Do not use .balign
  -mpid                       Enables Position-Independent-Data (PID) mode.
  -mrelax                     Enable linker relaxation.
  -mrx-abi                    Enable the use the standard RX ABI where all
                              stacked function arguments are naturally aligned.
                              This is the default.
  -mrxpeephole                Coremark improvement.
  -mrxv2-fsqrt                Enable to use of FSQRT hardware instruction for
                              RXv2 instruction set
  -msave-acc-in-interrupts    Specifies whether interrupt functions should save
                              and restore the accumulator register.
  -msim                       Use the simulator runtime.
  -msmall-data-limit=         Maximum size of global and static variables which
                              can be placed into the small data area.
  -mtfu=                      Enable the use of RX TFU instructions.
  -mwarn-multiple-fast-interrupts Warn when multiple, different, fast interrupt
                              handlers are in the compilation unit.
  -nofpu                      Disable the use of RX FPU instructions.

Assembler options
=================

Use "-Wa,OPTION" to pass "OPTION" to the assembler.

 RX specific command line options:
  --mbig-endian-data
  --mlittle-endian-data [default]
  --m32bit-doubles [default]
  --m64bit-doubles
  --muse-conventional-section-names
  --muse-renesas-section-names [default]
  --msmall-data-limit
  --mrelax
  --mpid
  --mint-register=<value>
  --mcpu=<rx100|rx200|rx230|rx600|rx610|rx64m|rx66T|rx71m|rx72T>
  --misa=<v1|v2|v3>
  --mno-allow-string-insns  --mgcc-abi
  --mrx-abi [default]

Linker options
==============

Use "-Wl,OPTION" to pass "OPTION" to the linker.

elf32rx:
  --build-id[=STYLE]          Generate build ID note
  -z common-page-size=SIZE    Set common page size to SIZE
  -z defs                     Report unresolved symbols in object files.
  -z execstack                Mark executable as requiring executable stack
  -z max-page-size=SIZE       Set maximum page size to SIZE
  -z muldefs                  Allow multiple definitions
  -z noexecstack              Mark executable as not requiring executable stack
  --no-flag-mismatch-warnings Don't warn about objects with incompatible
                                endian or dsp settings
  --flag-mismatch-warnings    Warn about objects with incompatible
                                endian, dsp or ABI settings
  --ignore-lma                Ignore segment LMAs [default]
                                (for Renesas Tools compatibility)
  --no-ignore-lma             Don't ignore segment LMAs

注目するのは・・

--mcpu=<rx100|rx200|rx230|rx600|rx610|rx64m|rx66T|rx71m|rx72T>

RX72M、RX72N、RX66N などの CPU タイプは無いが、「RX72T」がある。

そして、

-mdfpu                      Enable the use of RX DFPU instructions.
-mtfu=                      Enable the use of RX TFU instructions.

多分、「倍精度浮動小数点命令」、「三角関数演算器」のサポートがある!

mcpu タイプに RX72N が無いのが、良く判らないが、gcc でも、サポートがされる事が判ったのがうれしい。
※まだ、有効にした場合の検証をしていない・・

MSYS2 からも、ツールのパスを設定すれば、使えるようだ・・

PATH=$PATH:/C/'Program Files (x86)'/'GCC for Renesas RX 8.3.0.202002-GNURX-ELF'/rx-elf/rx-elf/bin

ただ、

Assembler messages:
Warning: cannot compress debug sections (zlib not installed)

上記警告が出る・・・

お馴染み、レイトレースを走らせてみる

いつもの、ベンチマーク「レイトレース」を RX72N Envision Kit で走らせてみた。

何と、「最速」をマークした・・・
※gcc-7.5.0 では、361ms くらいだった・・

-mcpu=rx71m

※RX64M、とRX71M でコアの違いは無いと思うが・・・、とりあえず、RX71M でコンパイルした。
※RX64M でコンパイルしたものと同じバイナリーが出る。

今後の開発環境

今後、アップデートも行われるようなので、このコンパイラを使っていきたいと思う。

Makefile のオプションが変わるので、自分でビルドした gcc とは異なる設定が必要。

# CC_DEFS       =   -mcpu=rx600 -Wa,-mcpu=rxv2
CC_DEFS     =   -mcpu=rx71m -dfpu
# CP_DEFS       =   -mcpu=rx600
CP_DEFS     =   -mcpu=rx71m

上記のように、オプションを変更する。

もう少し、評価したら、Makefile を修正後、コミットする予定なので、自分で gcc をビルドしている人は、GNU-RX 8.3.0 をダウンロードして準備する必要がある。

RXマイコンの開発環境をバージョンアップ

RXマイコンの開発環境をアップグレード

気がつくと、gcc は 10.1.0 がリリースされており、RX マイコンも RXv3 コアがリリースされた事などから、そろそろ、開発環境を見直す時期なのかもしれない。

RX72N の RXv3 コアで大きく変わった事と言えば、倍精度の浮動小数点演算命令がサポートされた事だと思う。
※RXv3 コアでも、倍精度浮動小数点演算をサポートしない、RX66T、RX72T、などがあり多少複雑だ。
※他に、三角関数演算器が追加された。(ただ、この演算器については、使い方が隠蔽されており、実際に使える状態になるのは、メーカーのサポートが必要になると思われる。)

CC-RX では、当然サポートされるだろうけど、GNU-RX でサポートされるかは、今の処不明となっている。
※GNU-RX は gcc-4.8.x をベースにしており、本流のツリーにマージしていない事から、gcc でサポートされる可能性は非常に低いと考えられる。

それもあって、倍精度の命令を生成する仕組みを gcc に実装するにはどうしたら良いかを考え始め、情報を集めている。

binutils-2.34(アセンブラ)は、RXv3 の命令をアセンブル出来るようになっており、問題は無いものと思う。

まずは、binutils をアップグレード

今まで、binutils-2.30 を利用してきたが、このバージョンでは、RX マイコンの RXv3 で新設された命令をアセンブルする事が出来ない。

GNU assembler (GNU Binutils) 2.30

 RX specific command line options:
  --mbig-endian-data
  --mlittle-endian-data [default]
  --m32bit-doubles [default]
  --m64bit-doubles
  --muse-conventional-section-names
  --muse-renesas-section-names [default]
  --msmall-data-limit
  --mrelax
  --mpid
  --mint-register=<value>
  --mcpu=<rx100|rx200|rx600|rx610|rxv2>
  --mno-allow-string-insns

そこで、binutils-2.34 を使う

GNU assembler (GNU Binutils) 2.34

 RX specific command line options:
  --mbig-endian-data
  --mlittle-endian-data [default]
  --m32bit-doubles [default]
  --m64bit-doubles
  --muse-conventional-section-names
  --muse-renesas-section-names [default]
  --msmall-data-limit
  --mrelax
  --mpid
  --mint-register=<value>
  --mcpu=<rx100|rx200|rx600|rx610|rxv2|rxv3|rxv3-dfpu>
  --mno-allow-string-insns

rxv3、rxv3-dfpu が追加されている。

C/C++ コンパイラは、gcc-7.5.0 を使う

現在、gcc-10.1.0 がリリースされているので、色々試してみたが・・・

gcc-9.x 系 ---> デバッグビルド(最適化 -O0 で、割り込みベクターを伴った関数で、gcc がストールする)
gcc-8.x 系 ---> デバッグビルド(最適化 -O0 で、割り込みベクターを伴った関数で、gcc がストールする)
gcc-7.5.0 ---> 問題無し

本来、gcc のストールは、フルバグレポートを送る必要があると思うが、レポートの作り方や送り方を調べるのは時間がかかりそうなので、それは追々対応してみたいと思う。

RX マイコンの専用コードは、6.4.0 とあまり変わらないが、とりあえず、7.5.0 をビルドして実行バイナリーの動作をテストしてみた。
※色々、テストしたが、7.5.0 が安定しているようだー

gcc version 7.5.0 (GCC)
The following options are target specific:
  -fpu                        Enable the use of RX FPU instructions.  This is
                              the default.
  -m32bit-doubles             Stores doubles in 32 bits.  This is the default.
  -m64bit-doubles             Store doubles in 64 bits.
  -mallow-string-insns        Enables or disables the use of the SMOVF, SMOVB,
                              SMOVU, SUNTIL, SWHILE and RMPA instructions.
                              Enabled by default.
  -mas100-syntax              Generate assembler output that is compatible with
                              the Renesas AS100 assembler.  This may restrict
                              some of the compiler's capabilities.  The default
                              is to generate GAS compatible syntax.
  -mbig-endian-data           Data is stored in big-endian format.
  -mcpu=                      Specify the target RX cpu type.
  -mgcc-abi                   Enable the use of the old, broken, ABI where all
                              stacked function arguments are aligned to 32-bits.
  -mint-register=             Specifies the number of registers to reserve for
                              interrupt handlers.
  -mjsr                       Always use JSR, never BSR, for calls.
  -mlittle-endian-data        Data is stored in little-endian format.
                              (Default).
  -mlra                       Enable the use of the LRA register allocator.
  -mmax-constant-size=        Maximum size in bytes of constant values allowed
                              as operands.
  -mpid                       Enables Position-Independent-Data (PID) mode.
  -mrelax                     Enable linker relaxation.
  -mrx-abi                    Enable the use the standard RX ABI where all
                              stacked function arguments are naturally aligned.
                              This is the default.
  -msave-acc-in-interrupts    Specifies whether interrupt functions should save
                              and restore the accumulator register.
  -msim                       Use the simulator runtime.
  -msmall-data-limit=         Maximum size of global and static variables which
                              can be placed into the small data area.
  -mwarn-multiple-fast-interrupts Warn when multiple, different, fast interrupt
                              handlers are in the compilation unit.
  -nofpu                      Disable the use of RX FPU instructions.

newlib は、2.4.0 のままとした。

newlib は、バージョンを上げる場合に注意を要するので、無難な選択として、2.4.0(変更しない)とした。

RX フレームワークをビルドする。

コンパイラが出来たら、全体のプロジェクトをビルドする、まず「debug」ビルドからー

sh all_project_build.sh -debug clean

...

sh all_project_build.sh -debug

問題無い!

次にリリースビルド・・・

sh all_project_build.sh clean

...

sh all_project_build.sh

これも問題無い!、いくつかのバイナリーを実際に動かしてみたが、特に問題になるような動作は認められなかった。

gcc に倍精度命令を出力させる件は時間がかかりそうなので、調査を続ける事として、当面、開発環境は、これで行く事にする。

binutils-2.34
gcc-7.5.0
newlib-2.4.0

MSYS2 で作成した gcc のバイナリーをリンクにアップロードしてある。

CP2102Nを使ったUSBシリアル基板

PCBGOGO で作成した基板

以前に、別件で、PCBGOGO で基板を作る際、同時に注文したもので、部品も揃っていたのだが、ハンダペーストが無かったのもあって、ほったらかしにしていた・・・
※10枚作って、$5だった、安!、送料は$17とかだった・・

それをようやく組み立てた。

ハンダ付けに苦労はしたが、何とか組み立て、接触不良無く、一発で動作した。
※パッドの形状などから、QFN20 のハンダ付けが一番不安だった・・・

KiCAD プロジェクト一式

Silicon Labs CP2102N について

中華の格安モジュール基板で「CP2102」は大量に出回っているのだけど、「CP2102N」は少ない。
仕様的には同じ部分も多いが、マイナーチェンジ版の「N」は、もう一息だった部分が改良されていて、申し分のないものになっている。

  • 一台の PC に複数のデバイスを繋いだ場合の挙動が改善されている。
  • FTDI のメジャーチップより高性能で、同じボーレートでも、送信も受信も速い。
  • カスタムするツールの導入が簡単で、専用の ID や文字列を埋め込める。
  • 安い!(QFN24 で @160 くらい)

QFN パッケージの憂鬱

CP2102N は、パッケージとして、QFN20、QFN24、QFN28 などがあるのだが、KiCADでトラックを引く前に、部品を発注してしまった・・

QFN パッケージでも、手ハンダで取り付け出来るのだが、QFN20 は、角のピンが隠れているし、裏面にGNDパターンがあり、手ハンダでは難しい事が判って、大いに後悔した・・・

QFN24 にしとけば良かった・・・

ハンダペーストを楊枝で、適当に塗って、コテライザーを使って、溶かして付ける。

念の為、フラックスを塗って、サイド側からハンダコテを当ててパッドにハンダを盛る。

これで、何とかなったようだ・・・

接触不良も無く、動いているようだー。

タカチのケースに入れる事を考えた形状

初めから、タカチのケースに入れる事を考えて作ったのだが、急いでいた事もあって、イマイチだった・・・

基板をリューターで削って、何とかなった。
※一応、隅に配線が通らないようにはしている。

3.3V のレギュレータ

RXマイコンでは、3.3Vで動かす事が多いので、3.3Vの三端子を載せてあり、電源電圧として、5V、3.3Vを切り替え出来る。

チップ部品は結構大変

あまり考えずに、1608サイズのチップ部品にしたが、手ハンダはキツイ!
何か、治具を作らないと綺麗に配置するのは難しいかもしれない、視力が衰えている事もあるが、ルーペで拡大しないとならないし、ハンダ付けする時部品を押さえておかないとならない。

rx_prog の不具合?

FTDI より 高速に送信、受信が出来るものの、大きなファイルを書き込むと、エラーで止まる現象が起こる。
※FTDIでも発生していたのだが・・

原因は調査中だが、CP2102Nの問題では無さそうで、MSYS2のPOSIX系シリアルドライバーのハンドリングにありそうだ、こちらは、簡単に原因を見つけられなかったので、解析中。

2020-06-08 01:10:15 Monday
問題は解決したものと思う:

  • erase-page、write-page のループで、間隔を空けないで、次のコマンドを送ると、RXマイコン側がストールするようだ。
  • erase-page の場合、ページ(256バイト)毎に2ミリ秒の待ちを入れた。
  • write-page の場合、ページ(256バイト)毎に5ミリ秒の待ちを入れた。
  • 上記待ちを入れた状態で、ストールせず、正常に書き込めた。
  • 待ちを入れない場合、RXマイコン側でバッファオーバーランなどが発生するのかも・・
  • この修正は、コミットした。(rx_prog)

2020-06-09 04:34:32 Tuesday

  • rx_prog を拡張して、erase-page-wait、write-page-wait パラメーターを追加。
  • rx_prog.conf にも変数を追加。
  • 設定は、マイクロ秒単位、標準で、それぞれ、2000、5000を設定してある。

FTDIとシリコンラボで、ボーレートが同じでも全体のパフォーマンスが異なるのは・・
以下のような理由によるものと思う:

  • 基本的にドライバーの違いのようだ。
  • FTDIでは、小さいパケットを送ると、「都度送る」
  • シリコンラボの場合は、「貯めて送る」と、「バッファにあったら送る」
  • USBサービスの関係から、「都度送る」と間隔が空いてしまうようだ。
  • ハンドシェークを行わない場合、受け手の仕様によっては、相性問題が発生するかもしれない。
  • 受け手の作りが「甘い」と、FTDIの方が相性が良い事になる感じか・・

FTDI と シリコンラボ速度比較

AUDIO_sample/RX64M/audio_sample.mot (628460 バイト)

rx-elf-size audio_sample.elf
   text    data     bss     dec     hex filename
 541476      48   86936  628460   996ec audio_sample.elf
-rw-r--r-- 1 hira hira 1353908  6月  8 03:13 audio_sample.mot

FTDI(FT232XS) @230 秋月電子:

time rx_prog -P COM5 -d RX64M --progress --erase --write --verify audio_sample.mot
Erase:  #################################################
Write:  #################################################
Verify: #################################################
0.39user 1.90system 5:57.08elapsed 0%CPU (0avgtext+0avgdata 9304maxresident)k
0inputs+0outputs (2442major+0minor)pagefaults 0swaps

※FTDIのメジャーデバイス、FT232RL(@400) でも結果は同じ。


SiliconLabs(CP2102N) @160 DigiKey:

time rx_prog -d RX64M --progress --erase --write --verify audio_sample.mot
Erase:  #################################################
Write:  #################################################
Verify: #################################################
0.28user 1.09system 1:51.59elapsed 1%CPU (0avgtext+0avgdata 9372maxresident)k
0inputs+0outputs (2460major+0minor)pagefaults 0swaps

上記のように3倍以上違い、値段も安い!

なので、CP2102N を使うべきー

RX72N Envision Kit での開発(その5)GUI編

GUI_sample (RX65N/RX72N Envision Kit)

C++ GUI フレームワーク

RX65N Envision Kit から採用された GUI ライブラリとして、emWin が既にあります。

ですが、これは C で実装されており、アプリケーションを作るには、ハードルが高いと思えます。

以前に PC 向けに、OpenGL を描画エンジンとして使った、GUI フレームワーク glfw3_app を実装した経緯があり、GUI 操作に必要な構成は研究して判っているつもりなので、それらの知見を使い、組み込みマイコンでも扱いやすいようにダイエットした GUI Widget のフレームワークを実装しました。

「漢字」が標準で使えるのも特徴です。
※現在は16x16ピクセルのフォント「東雲16ドット漢字フォント」を利用させてもらっています。
※メモリに余裕があるので、ROM 領域にビットマップとして持っています。(260キロバイト程度消費する)
※漢字が必要無い場合は、含めない事も出来ますし、又はSDカードから読み込んでキャッシュする事も出来ます。

描画に関しては、DRW2D エンジンが無くても利用可能なように、現在はソフトウェアーで処理しています。
※RX64M/RX71M などに LCD をバス接続した場合や、フレームバッファ内蔵の LCD を接続する場合を考慮しています。
※DRW2D でアクセレートする事も可能な構造にしてあります。(DRW2D 版は開発中)

このフレームワークでは、記憶割り当てを使わない事を念頭に設計してあり、比較的小規模なアプリ向けとして機能を絞ってあります。
もっと「リッチ」な物が必要なら、新たに実装して追加出来る余地も残してあります。

現状で、用意してあるのは以下の Widget です。
※ソースコードは、「RX/graphics」以下にあります。

Widget 機能 ソース 完成度
frame フレーム frame.hpp
button ボタン button.hpp
check チェックボックス check.hpp
radio ラジオボタン radio.hpp
slider スライダー slider.hpp
menu メニュー menu.hpp
spinbox スピンボックス spinbox.hpp ×
group グループ管理 group.hpp

「見た目」は、シンプルなものにしてあり、ピクセルデータを用意する事無く、プリミティブの組み合わせで描画しています。

今後、必要な widget を拡充して行く予定です。

全体の構成

GUI は一般的には、メッセージ通信により、機能を提供する事が一般的だと思います。
※代表的なのは Windows でしょうか・・

ただ、この方式は、冗長なコードになりやすいし、機能が複雑になるとメッセージの順番や、メッセージのマスクなど、トリッキーなコードになりやすいと思います。

このフレームワークでは、「同期式」と呼ばれる、リアルタイムなゲームで使われるようなシステムを使っています。

画面の更新は 60Hz 程度なので、それに合わせて、タッチパネルの情報を取得して順次処理を行っています。

又、C++ の機能を積極的に利用する事で、シンプルな構成に出来、アプリケーションを実装しやすくします。

GUI 部品管理

この GUI フレームワークでは、管理する Widget の数をテンプレートで定義しています(有限個)。

    // 最大32個の Widget 管理
    typedef gui::widget_director<RENDER, TOUCH, 32> WIDD;
    WIDD        widd_(render_, touch_);

new などを使い、動的に増やす事も出来ますが、メモリが足りなくなった場合の対応を考えると、「有限数」の方が管理し易いように思います。

LCD は 4.3 インチで、解像度も 480 x 272 程度と小さいので、PC のディスクトップのように、複雑でリッチな GUI は、当面必要無いと思える為です。


C++ での実装で、少し問題な点があります、現状の実装では、widget の追加と削除は、グローバル関数としています。

extern bool insert_widget(gui::widget* w);
extern void remove_widget(gui::widget* w);

この関数は、「widget_director」テンプレートクラス内の API「insert、remove」を呼ぶようにしなければなりません。
そこで、サンプルでは、以下のように、widget_director のインスタンスを置いてあるソースで定義してあります。

/// widget の登録・グローバル関数
bool insert_widget(gui::widget* w)
{
    return widd_.insert(w);
}

/// widget の解除・グローバル関数
void remove_widget(gui::widget* w)
{
    widd_.remove(w);
}

※他に良い方法を思い付かなかったので、このように、あまりスマートとは言えない方法になっています。
※こうしておけば、widget_director を複数持って、場合により、切り替える事も出来そうです。

widget_director は、描画ループの中から「update」を呼び出せば、全ての管理が行われます。

    while(1) {
        render_.sync_frame();
        touch_.update();

        widd_.update();

...

    }

※「touch_.update();」は、タッチパネルインターフェース(FT5206)のサービスです。
※widget_director テンプレートでは、レンダリングクラスと、タッチパネルクラスの型を必要とし、コンストラクター時、参照で与えます。

    // GLCDC 関係リソース
    typedef device::glcdc_mgr<device::GLCDC, LCD_X, LCD_Y, PIX> GLCDC;

    // フォントの定義
    typedef graphics::font8x16 AFONT;
//  for cash into SD card /kfont16.bin
//  typedef graphics::kfont<16, 16, 64> KFONT;
    typedef graphics::kfont<16, 16> KFON
    typedef graphics::font<AFONT, KFONT> FONT;

    // DRW2D レンダラー
//  typedef device::drw2d_mgr<GLCDC, FONT> RENDER;
    // ソフトウェアーレンダラー
    typedef graphics::render<GLCDC, FONT> RENDER;

    GLCDC       glcdc_(nullptr, reinterpret_cast<void*>(LCD_ORG));
    AFONT       afont_;
    KFONT       kfont_;
    FONT        font_(afont_, kfont_);
    RENDER      render_(glcdc_, font_);

    FT5206_I2C  ft5206_i2c_;
    typedef chip::FT5206<FT5206_I2C> TOUCH;
    TOUCH       touch_(ft5206_i2c_);

    // 最大32個の Widget 管理
    typedef gui::widget_director<RENDER, TOUCH, 32> WIDD;
    WIDD        widd_(render_, touch_);

widget 親子関係とグループ化

widget は、階層構造が可能なようにしてあり、座標管理も差分で行えるようにしてあります。
※その為、親、子、関係があります。

また、ラジオボタンのように、自分の変化を受けて、他も変化が必要な場合があり、この場合、グループ化が役立ちます。

以下のように、3つのラジオボタンをグループ化しておけば、チェック、アンチェックの管理は自動で行えます。
※ラジオボタンの実装では、自分の状態が変化した時、「自分の親」に登録されている、「子」で、ラジオボタンを調べて、その状態を変更しています。

    typedef gui::group<3> GROUP3;
    GROUP3      group_(vtx::srect(   10, 10+50*2, 0, 0));
    typedef gui::radio RADIO;
    RADIO       radioR_(vtx::srect(   0, 50*0, 0, 0), "Red");
    RADIO       radioG_(vtx::srect(   0, 50*1, 0, 0), "Green");
    RADIO       radioB_(vtx::srect(   0, 50*2, 0, 0), "Blue");

※ラジオボタンは、グループ化する為、グループ座標の差分となっている。
※各 widget では、サイズ指定で「0」を指定すると、標準的なサイズがロードされます、この定義は、各 widget 内で定義されています。

C++ では、オペレータを使って、特別な機能を割り当て出来ます。
この場合、「+」は、group への、radio ボタン登録として機能します。

    // グループにラジオボタンを登録
    group_ + radioR_ + radioG_ + radioB_;

コールバックとラムダ式

C++ では、C++11 からラムダ式が使えるようになりました。

GUI の操作では、何か「変化」が発生した場合に、コールバック関数が呼ばれます。

C++ では、std::function テンプレートを使っています。

たとえば、button widget では、以下のように定義してあります。

    typedef std::function<void(uint32_t)> SELECT_FUNC_TYPE;

ボタンが押された(ボタンをタッチして、離れた瞬間)時、押された回数をパラメータに、コールバック関数が呼ばれます。

C++ では、ラムダ式が使えるので、コールバック関数を登録しないで、ラムダ式により、直接動作を実装出来ます。

    button_.at_select_func() = [=](uint32_t id) {
        utils::format("Select Button: %d\n") % id;
    };

これは、非常に便利で、アプリケーションを作成する時は大いに役立ち、シンプルに実装出来ます。
※クラス内の場合は、キャプチャーを「[this]」とする事で、クラス内のメソッドを呼べるようになります。

GUI サンプルのメイン

サンプルでは、一通りの GUI を定義、登録して、各 widget にラムダ式を使って、挙動を表示(シリアル出力)するようにしています。

widget の定義と登録:
※各 widget のコンストラクターで、widget_director へ登録される。

    typedef gui::button BUTTON;
    BUTTON      button_  (vtx::srect(   10, 10+50*0, 80, 32), "Button");
    typedef gui::check CHECK;
    CHECK       check_(vtx::srect(   10, 10+50*1, 0, 0), "Check");  // サイズ0指定で標準サイズ
    typedef gui::group<3> GROUP3;
    GROUP3      group_(vtx::srect(   10, 10+50*2, 0, 0));
    typedef gui::radio RADIO;
    RADIO       radioR_(vtx::srect(   0, 50*0, 0, 0), "Red");
    RADIO       radioG_(vtx::srect(   0, 50*1, 0, 0), "Green");
    RADIO       radioB_(vtx::srect(   0, 50*2, 0, 0), "Blue");
    typedef gui::slider SLIDER;
    SLIDER      sliderh_(vtx::srect(200, 20, 200, 0), 0.5f);
    SLIDER      sliderv_(vtx::srect(440, 20, 0, 200), 0.0f);
    typedef gui::menu MENU;
    MENU        menu_(vtx::srect(120, 70, 100, 0), "ItemA,ItemB,ItemC,ItemD");

登録された GUI を有効にして、コールバック関数に、ラムダ式で挙動を実装する。

    void setup_gui_()
    {
        button_.enable();
        button_.at_select_func() = [=](uint32_t id) {
            utils::format("Select Button: %d\n") % id;
        };

        check_.enable();
        check_.at_select_func() = [=](bool ena) {
            utils::format("Select Check: %s\n") % (ena ? "On" : "Off");
        };

        // グループにラジオボタンを登録
        group_ + radioR_ + radioG_ + radioB_;
        group_.enable();  // グループ登録された物が全て有効になる。
        radioR_.at_select_func() = [=](bool ena) {
            utils::format("Select Red: %s\n") % (ena ? "On" : "Off");
        };
        radioG_.at_select_func() = [=](bool ena) {
            utils::format("Select Green: %s\n") % (ena ? "On" : "Off");
        };
        radioB_.at_select_func() = [=](bool ena) {
            utils::format("Select Blue: %s\n") % (ena ? "On" : "Off");
        };
        radioG_.exec_select();  // 最初に選択されるラジオボタン

        sliderh_.enable();
        sliderh_.at_select_func() = [=](float val) {
            utils::format("Slider H: %3.2f\n") % val;
        };
        sliderv_.enable();
        sliderv_.at_select_func() = [=](float val) {
            utils::format("Slider V: %3.2f\n") % val;
        };

        menu_.enable();
        menu_.at_select_func() = [=](uint32_t pos, uint32_t num) {
            char tmp[32];
            menu_.get_select_text(tmp, sizeof(tmp));
            utils::format("Menu: '%s', %u/%u\n") % tmp % pos % num;
        };

まとめ

やはり、GUI のような構造的な体系には、C++ が必要だと痛感します。

今回の GUI フレームワークで、widget は「継承」を使っていますが、GUI の部品はスタティックに定義してあり、「new」や「delete」もしません。
※実際は、偶然そうなっているのでは無く、「しなくて済むよう」に工夫しています。

複雑な構成のアプリケーションを実装したい場合、シーン管理を使って、各シーンで登場する GUI を定義、実装すれば、シーン毎に GUI の定義を別ける事が出来ます。
※「LOGGER_sample」を参照。(未完成で実装中です)

シーンの定義については、「common/scene.hpp」テンプレートクラスを参照して下さい。

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