「ソフトウェアー・エンジニアリング」カテゴリーアーカイブ

ソフトウェアー関係の話題など・・

最近は、github にプッシュしてます~

RX24Tを使ったデータロガー(その1)

以前にATMegaを使ってデータロガーを作成したが、需要が無かったのと、
大きくて、使いかってが悪いなどで使わなくなっていた。
IMG_0904sIMG_0905sIMG_0906s

最近、需要が、少しではあるがありそうなので、最新のRX24Tで作り直す
事にした。
ソースは、ATMegaの物をなるべく利用するが、元はCで書かれているの
と、AVR用に特化している部分もあるので、C++で作り直す。

今度は利便性を第一に考えて、小型に作る。
とりあえず、タカチのケース(CS115N)に入るようにして、基板を起こす
予定でいる。
※最近は、基板を小ロット作成するのにかかるコストは凄く少なくなっている。
IMG_0907s

スペックや仕様は以下の通り:
・100Hzサンプリング
・ラップタイム入力
・G.P.S.入力
・加速度、ジャイロセンサー(MPU6050)
・速度(パルス)入力、2チャンネル
・回転(パルス)入力、1チャネル(エンジン回転用)
・アナログ4チャンネル
・SDカード対応
・128×64、液晶表示
・720mAリチウムポリマー電池と充電、3.3VDC/DC
・USB充電

RX24Tデータロガーリソース

RX24Tで内臓データフラッシュの読み書き

RX24Tの内臓データフラッシュの読み書きが出来たので、関係クラスと
サンプルを追加した。

RX24Tでは、内臓データフラッシュは8Kバイトあり、1Kバイト毎の
ブロックに分かれている。
※消去は、1Kバイト単位で行う。

以前、RL78では、内臓データフラッシュへのアクセスは、情報が公開さ
れておらず、使う事が出来なかった。
※操作ラブラリーだけが公開されており(gcc 版は無い)ソースコードや、
関係レジスターの説明等は未公開となっている為、実装をあきらめた。
※「公開できない」理由について、色々考えたりもしたが、それが、トリガー
となって、RL78からは疎遠になってしまった。

RXマイコンでは、アクセスが多少面倒ではあるものの、内蔵データフラッ
シュを使う事が出来る。(常識でもある)
また、ROMフラッシュ領域も、書き込みなどが行えるものの、操作が面倒
なのと、当面必要では無いので、実装していない。

データフラッシュは、消去が1バイト単位で出来ない(1Kバイト毎)ので、
汎用的なメモリーとして扱うようにするには、巧妙なマネージメントを必要
とする、これは、フラッシュの書き換え可能回数制限や、ブロック・イレー
スに、時間が多少必要など、フラッシュメモリーの特性が起因している。

データフラッシュの扱いは、RXマイコンで共通なら、問題は無いが、デバ
イスによって異なるようだ・・
今回、RX24T専用となったので、

RX24T/flash.hpp
RX24T/flash_io.hpp

専用のクラスを用意した。

ただ、データフラッシュに対する操作は同じ仕様とする。

//-----------------------------------------------------------------//
/*!
    @brief    開始
*/
//-----------------------------------------------------------------//
void start() const;

//-----------------------------------------------------------------//
/*!
    @brief  読み出し
    @param[in]   org   開始アドレス
    @return データ
*/
//-----------------------------------------------------------------//
uint8_t read(uint16_t org) const;

//-----------------------------------------------------------------//
/*!
    @brief  読み出し
    @param[in]  org     開始アドレス
    @param[in]  len     バイト数
    @param[out] dst     先
*/
//-----------------------------------------------------------------//
void read(uint16_t org, uint16_t len, void* dst) const;

//-----------------------------------------------------------------//
/*!
    @brief  消去チェック
    @param[in]  bank    バンク
    @return エラーがあれば「false」
*/
//-----------------------------------------------------------------//
bool erase_check(data_area bank) const;

//-----------------------------------------------------------------//
/*!
    @brief  消去
    @param[in]  bank     バンク
    @return エラーがあれば「false」
*/
//-----------------------------------------------------------------//
bool erase(data_area bank) const;

//-----------------------------------------------------------------//
/*!
    @brief  書き込み
    @param[in]  src     ソース
    @param[in]  org     開始オフセット
    @param[in]  len     バイト数
    @return エラーがあれば「false」
*/
//-----------------------------------------------------------------//
bool write(const void* src, uint16_t org, uint16_t len) const;

//-----------------------------------------------------------------//
/*!
    @brief  書き込み
    @param[in]	org	開始オフセット
    @param[in]	data	書き込みデータ
    @return エラーがあれば「false」
*/
//-----------------------------------------------------------------//
bool write(uint16_t org, uint8_t data) const;

データ・フラッシュ・サンプル

RX64M内臓RTCを使う

正月休みは風邪引いて本物の寝正月で、趣味の工作など、全く出来なかった。

去年の11月終わりに請けた仕事も、ようやく何とかなりそうで、やっとRXマイコン
を再開した。

RX64M、176ピンは、内臓RTCを持っており、バックアップ用別電源端子が用
意されている。
※ VBATT(15)
※バッテリーバックアップできないようなRTCは、ほとんど利用価値が無い為、外部
にさらにRTCを繋ぐ必要がある。

RX64M、RTCのもう一つのメリットは、バイナリーカウンターモードがある点で、
これは、やっとまともな仕様になったとも言える。
時間管理を普通にやる場合、シリアライズがどうしても必要だが、一般的なRTCのレ
ジスター構成は、二度手間になるだけで何のメリットも無いものになっている。
※レジスターは、秒、時間、日、月、年、曜日などに分かれており、扱いが容易では無
い、これは、30年前以前の処理能力が無かった時代の腐った仕様が現役になっている。
時間の設定や、時間管理を考えた場合、「うるう年」や「曜日」の管理を行うのが普通
なので、基点からの経過時間(秒)で管理するのが確実だ、従って、RTCは、単純な
秒単位のカウンターが一番適している。
ハードウェアーデバイスに着目すると、単なるバイナリーカウンターのRTCも流通し
てはいるが、腐った仕様のRTCよりコストが高い事に驚く。
DS1371などがバイナリー仕様のRTC
バイナリーカウンタRTC:
DS1371(単価341円)

年、月、日、時間RTC:
MCP79410(単価122円)
DS3231モジュール(単価110円)
※何でこんな値段でやれるのか、不思議でならない・・・

IMG_0902s
リチウムイオン電池には直列に逆流防止ダイオードを入れる。
ただ注意しなければならないのは、順方向電圧降下が少ないタイプ(ショットキー)は
逆方向電流が多い物が多い、今回は、RB751S-40を使った。

RX64M内臓のRTCは、バイナリーカウンターなので、非常に簡単に実装する事が
できた。

RTCの読み出しでは、注意する必要がある。

複数の非同期カウンターをどのように読むべきか?

何も考えずに読み出すと、カウントアップ時の非同期性の為、間違った値を読んでしま
う事がある。
全てのカウンターレジスター更新には、多少の時間的ズレがある為、確率的に全てのカ
ウント更新が終了していない中途半端な状態を読み出してしまう為で、以前に観た実装
では、RTCから1Hz出力を出して、それを割り込みを使って、そのタイミングで読
み出すとかしていた、しかもこの方法でも、正しい値を読み出せる保障は無く、多分、
「たまたま」うまく読み出せているだけで、RTCが違う場合には、うまくいかない場
合もあるかもしれない。

非同期で動作する複数のカウンターがある場合、以下のように、二度読み出して、両方
同じなら、「値を信用」し、違えば、二度同じ値になるように読み出すループを作れば
良い。
腐った仕様のRTCでは、利用するレジスター全てを比較する。

bool get_time(time_t& tp) const {
    auto a = get_();
    for(int i = 0; i < 5; ++i) {
        auto b = get_();
        if(a == b) {
            tp = static_cast(a);
            return true;
        }
        a = b;
    }
    return false;
}

そして、
以前に、R8C、RL78のRTC用に実装した、マネージメントを組み込んだ。

時間関数は、libc に含まれているが、巨大なので、必要最低限の実装を行った独自の
「common/time.c」を使っている。
※「うるう秒」の補正は行っていない。

# RX64M RTC sample
# help
date
date yyyy/mm/dd hh:mm[:ss]
# date
Sat Jan 14 23:13:56  2017

コマンドラインから、時間設定と、表示を行う事ができる。
時間管理は、「time_t」(基点からの経過秒数)で行っており、内部はグリニッジ標準
時間を使い、タイムゾーン(東京+9時間)はハードコートしてある。

RX64Mのバックアップ機能も問題無く動作しているようだ~

RX64M_RTC_sample

整数計算でサインテーブルを生成する

これは、アセンブラ時代に、サインテーブルを生成する方法を色々試して、ある程度
成果のあった方法です。
※浮動小数点の sin で求めた値と微妙に違うところもありますが、実用性は十分あり
ます。

現在の C++11 以降では、constexpr でコンパイル時に計算して、定数としてソースコ
ードにテーブルを埋め込む事ができるので、必要性は薄いのですが、知っていれば、
応用範囲は広いでしょう。
ハードウェアーに実装して、周波数シンセサイザや音源の波形ベースに使う事も考え
られます。

x' = x・cos(s) - y・sin(s)
y' = x・sin(s) + y・cos(s)

s が十分小さい場合、以下のように近似できる。
cos(s) ≒ 1
sin(s) ≒ s

x' = x - y・s
y' = x'・s + y

テーブル生成に使っていますが、連続性がある場合は、リアルタイムに計算する事も
できます。(こちらの方が応用性があります)

非常に古いですが、1979年に発売された、ナムコのギャラクシアンで、編隊が、
実機の手前で、回転したり、サインカーブ的な軌跡で攻撃してくる場面がありますが、
この原理が使われていました。
※この当時、安易にテーブルにする人が多い中で、真のエンジニアでした。

また、単振動を使って、サインテーブルを計算する方法もあるかと思いますが、周期
を決定する定数を求めるのは、整数計算だけでは、簡単では無いと思えます。

テーブル生成では、テーブルのサイズは、2のN乗の方が、扱いやすいので、sの定
数を求める場合は、全円周(2・π)を、テーブル長で割る必要があります。

template <uint16_t shi, uint16_t len>
class sin_cos {

    static const uint32_t pai_ = 0xC90FDAA2;    ///< 円周率(3.141592654 * 2^30)
    static const uint32_t pai_shift_ = 30;      ///< 円周率、小数点位置

    uint16_t tbl_[(1 << shi) + 1];

    void build_()
    {
        int16_t gain = 16;  // 精度を確保する為の下駄
        int64_t x = len << gain;  // cos(0) の値
        int64_t y = 0;    // sin(0) の値
        for(uint16_t i = 0; i < ((1 << shi) + 1); ++i) {
            tbl_[i] = y >> gain;   // pai_ のビット位置補正
	    // 全周は、2・πなので+1
	    x -= (static_cast(pai_) * y) >> (pai_shift_ + shi + 1);
	    y += (static_cast(pai_) * x) >> (pai_shift_ + shi + 1);
        }
    }
    public:
        sin_cos() { build_(); }
};

整数演算で平方根

最近、整数演算だけで色々する話があったので、過去に作成したものを見直してみた。

・平方根
これは、ファミコン時代から使っていた方法をC++(C)で表現したもので。
※アルゴリズムは、コンピューターが出現する以前から知られていた数学的手法を元に
しているようで、初期のデジタルコンピューターが出現する、数十年前に既に知られて
いた方法のようである。

過去には、色々なマイコン用(6502、6809、68000、Z80)アセンブラ
で書いた記憶がある。
Cなどの高級言語では、キャーリーの扱いが無い為、シフトや、ビット操作を行う場合
無駄が多い。
アセンブラで書けば、より一層の高速化ができるけど、互換性を考えて、Cで実装して
ある。
ハードウェアーにも実装しやすく、割り算よりリソースを使わないと思われる。
※整数計算なので、「余り」がある。

ゲームにおいて平方根は、必ず必要な「道具」で、シューティングゲームの誘導ミサイ
ル、正規化、ほぼありとあらゆる場面で使うと思われる。

template <typename T>
struct sqrt_t {
    typedef T value_type;

    T   val;    ///< 答え
    T   mod;	///< 余り

    sqrt_t(T v = 0, T m = 0) : val(v), mod(m) { }
};

static sqrt_t<uint16_t> sqrt16(uint16_t in)
{
    uint32_t a = in;
    uint32_t b = 0x4000;
    for(int i = 0; i < 8; ++i) {
        if(a >= b) {
            a -= b;
            b = ((b + b) & 0xfffe0000) + 0x10000 + (b & 0xffff);
        } else {
            b = ((b + b) & 0xfffe0000) + (b & 0xffff);
        }
        a <<= 2;
    }
    sqrt_t<uint16_t> ans(b >> 16, a >> 16);
    return ans;
}

・32ビット版

static sqrt_t<uint32_t> sqrt32(uint32_t al)
{
    uint32_t ah, bh, bl;

    ah = bh = 0;
    bl = 0x40000000;
    for(int i = 0; i < 16; ++i) {
        if(al >= bl) {
            if(ah >= bh) {
                ah -= bh;
                al -= bl;
                bh += bh + 1;
            } else {
                bh += bh;
            }
        } else {
            if(ah >= (bh + 1)) {
                ah -= bh + 1;
                al -= bl;
                bh += bh + 1;
            } else {
                bh += bh;
            }
        }
        ah <<= 2;
        ah += al >> 30;
        al <<= 2;
    }

    sqrt_t ans(bh, ah);
    return ans;
}

intmath.hpp

マイクロチップ用開発環境を構築

マイクロチップ用のソースを修正する作業が生じた為、Windows で、環境構築をしてみた。

遠い昔に、マイクロチップが出始めた時に、自分でアセンブラを実装して開発した覚えが
あるが、最近は、AVRやルネサスがメインとなり、使わなくなった。

開発環境が有料な事や、プログラマーが高いのも敬遠する理由ではある。
・プログラマーを自分で作る事もできそうだが、種類が多いので大変そうだ・・・
・60日を過ぎると、無料版は、最適化が「-O1」のみとなる。
※一応ソースコードが入手できるので、パッチを当てて、制限を回避する事も出来るよう
だが・・・
・現状で、C++14 のコードをコンパイル出来ないのは、まともなコンパイラとは思えない。

PICの良い面は、デバイスの入手性、バリエーションの多さ、「コスパ」なのだと思うが
自分はメリットを感じない。

今回使うチップは、「PIC24EP256GU810」で、「MPLAB C30」をインストールした。
※コンパイラは魔改造された gcc のようだ。

例によって、IDEを使わず、コマンドラインで開発したいので、Windows、MSYS2 で動作
させてみた。
以前から少しづつアップデートしている独自の「Makefile」を PIC30 用に修正しておこなった。
※この「Makefile」は、非常に柔軟性が高い!
従属規則の生成も全く問題無く、正常に生成された。
そして、暫く格闘したが、コンパイルしてリンクできるようになった。

・MPLAB C30 にパスを通す。(PATH=$PATH:/c/'Program Files (x86)'/Microchip/'MPLAB C30'/bin)
・デバイスを指定する。(-mpu=24EP256GU810)
・適切なコンパイルオプションを選ぶ。(-mlarge-code -mlarge-data -mlarge-scalar -mconst-in-data)
・適切なリンクオプションを選ぶ。(-T p24EP256GU810.gld --heap=1024 --stack=1024)

これだけ行って、コンパイル、リンクが通った。

#=======================================================#
#                                                       #
#    PIC C30 Makfile                                    #
#                                                       #
#=======================================================#
TARGET  =   farm

DEVICE  =   24EP256GU810

BUILD   =   release

VPATH   =

ASOURCES =

CSOURCES =   ここにソースファイルを列挙する~

PSOURCES =   

USER_LIBS =

LDSCRIPT  =

USER_DEFS =

INC_SYS   =

INC_APP   =

OPTIMIZE  =   -O1 -mlarge-code -mlarge-data -mlarge-scalar -mconst-in-data

MCU_TARGET =   -mcpu=$(DEVICE)

CP_OPT   =   -Wall -Werror \
             -Wno-unused-variable \
             -Wno-unused-function \
             -fno-exceptions

#CC_OPT  =   -Wall -Werror \
#            -Wno-unused-variable \
#            -fno-exceptions
#CC_OPT  =   -x c
CC_OPT   =

SYSINCS  =   $(addprefix -I, $(INC_SYS))
APPINCS  =   $(addprefix -I, $(INC_APP))
AINCS    =   $(SYSINCS) $(APPINCS)
CINCS    =   $(SYSINCS) $(APPINCS)
PINCS    =   $(SYSINCS) $(APPINCS)
LIBINCS  =   $(addprefix -L, $(LIB_ROOT))
DEFS     =   $(addprefix -D, $(USER_DEFS))
LIBS     =   $(addprefix -l, $(USER_LIBS))

# You should not have to change anything below here.
AS       =   pic30-as
CC       =   pic30-gcc
CP       =
AR       =   pic30-ar
LD       =   pic30-ld
OBJCOPY  =
OBJDUMP  =   pic30-objdump
SIZE     =
HEX      =   pic30-bin2hex

# AFLAGS =   -Wa,-adhlns=$(<:.s=.lst),-gstabs
# AFLAGS =   -Wa,-adhlns=$(<:.s=.lst)
# ALL_ASFLAGS = -x assembler-with-cpp $(ASFLAGS) $(DEFS)
ALL_ASFLAGS  =   $(AFLAGS) $(MCU_TARGET) $(DEFS)

# Override is only needed by avr-lib build system.

CFLAGS  =   $(CC_OPT) $(OPTIMIZE) $(MCU_TARGET) $(DEFS)
PFLAGS  =   -std=c++14 $(CP_OPT) $(OPTIMIZE) $(MCU_TARGET) $(DEFS)

# override LDFLAGS = $(MCU_TARGET) -nostartfiles -Wl,-Map,$(TARGET).map -T $(LDSCRIPT)
# override LDFLAGS = $(MCU_TARGET) -T$(DEVICE).gld,--defsym=__MPLAB_BUILD=1,--defsym=__MPLAB_DEBUG=1,--heap=1024,--stack=1024,-Map="VTS-10a.map"
override LDFLAGS = $(MCU_TARGET) -T p$(DEVICE).gld --heap=1024 --stack=1024

OBJCOPY_OPT  =   --srec-forceS3 --srec-len 32

OBJECTS =   $(addprefix $(BUILD)/,$(patsubst %.s,%.o,$(ASOURCES))) \
            $(addprefix $(BUILD)/,$(patsubst %.c,%.o,$(CSOURCES))) \
            $(addprefix $(BUILD)/,$(patsubst %.cpp,%.o,$(PSOURCES)))

DOBJECTS =  $(addprefix $(BUILD)/,$(patsubst %.c,%.o,$(CSOURCES))) \
            $(addprefix $(BUILD)/,$(patsubst %.cpp,%.o,$(PSOURCES)))

DEPENDS =   $(patsubst %.o,%.d, $(DOBJECTS))

.PHONY: all clean
.SUFFIXES :
.SUFFIXES : .rc .hpp .s .h .c .cpp .d .o

all: $(BUILD) $(TARGET).elf

$(TARGET).elf: $(OBJECTS) Makefile
    $(CC) $(LDFLAGS) $(LIBINCS) -o $@ $(OBJECTS) $(LIBS)
    $(HEX) $@ $(TARGET).hex

$(BUILD)/%.o: %.s
    mkdir -p $(dir $@); \
    $(AS) -c $(AOPT) $(AFLAGS) $(AINCS) -o $@ $<

$(BUILD)/%.o : %.c
    mkdir -p $(dir $@); \
    $(CC) -c $(COPT) $(CFLAGS) $(CINCS) $(CCWARN) -o $@ $<

$(BUILD)/%.o : %.cpp
    mkdir -p $(dir $@); \
    $(CP) -c $(POPT) $(PFLAGS) $(PINCS) $(CPWARN) -o $@ $<

$(BUILD)/%.d: %.c
    mkdir -p $(dir $@); \
    $(CC) -MM -DDEPEND_ESCAPE $(COPT) $(CFLAGS) $(APPINCS) $< \
        | sed 's/$(notdir $*)\.o:/$(subst /,\/,$(patsubst %.d,%.o,$@) $@):/' > $@ ; \
        [ -s $@ ] || rm -f $@

$(BUILD)/%.d: %.cpp
    mkdir -p $(dir $@); \
    $(CP) -MM -DDEPEND_ESCAPE $(POPT) $(PFLAGS) $(APPINCS) $< \
        | sed 's/$(notdir $*)\.o:/$(subst /,\/,$(patsubst %.d,%.o,$@) $@):/' > $@ ; \
        [ -s $@ ] || rm -f $@

clean:
    rm -rf $(BUILD) $(TARGET).elf $(TARGET).mot $(TARGET).lst $(TARGET).map

clean_depend:
    rm -f $(DEPENDS)

後は、書き込んでテストとなるが、ライターは自作する時間も惜しいので、仕方なく
「PICkit3」を買う(5700円)事にする。(自分のお金じゃ無いけど・・)
IMG_0898s
※自分は、デバッグ機能(トレース、実行など)が必要になった事が少ないので、
フラッシュ書き込みさえ出来れば、満足なのだけど・・・

やはり、コンパイラが有償(無償版は60日過ぎると、最適化できなくなる)なのは、最
悪だと思う、自分的には、仕事以外では絶対に使わないデバイスだと思う。

追記:
Windows10 のノートにもPICの開発環境をインストールしたが、コンパイラを走らせる
と「ライセンスがどうの」と言ってきてエラーになる・・・
調べると、「mplabc30-v3_31-windows-installer.exe」のバージョンに起因する、
license-lm 関係のバグのようだ、そこで、「v3_30」を取ってきてインストールした。

-----
やっぱり、ルネサス系、R8C、RL78、RXマイコンが最高だと、再認識する。
※コストでは、PICに武がある事は認めるのだけど・・・

RXマイコン用スタートアップのバグ

今まで、RXマイコンで、挙動が怪しい事があって、その原因が判らなかったが、
やっと判明した・・・

症状としては、
・スタックに配置した変数が書き換わる場合
・割り込みが多重に起動するような場合に多く発生
・多重じゃなくても割り込み関連が絡む場合など

どうもスタックが壊れている感じではあるけど、プログラムを追っても、問題無
さそう・・・

RXマイコンでは、スタックは、割り込み用スタック(ISP)と、ユーザース
タック(USP)に分かれていて、起動時、「start.s」のアセンブラプログラム
で設定されている。
ISPをメモリーの後半に置き、その手前にUSPを設定している。
当初、ISPの容量は32バイトくらいしか無かったので、256バイトにした
が、症状に変化は無い・・・

    .text
    .global  _start
    .type    _start,@function
_start:

# スタックの設定(SP:__stack、USP:__stack - 128)
    mov.l       #__stack, r0
    mvtc        r0, isp
    sub         #128,r0
    mvtc        r0, usp

ソフトウェアーマニュアルを読み直していたら、何と「R0」レジスタと「SP」
は扱いが同一となっていた!

汎用レジスタ R0 には、汎用レジスタとしての機能に加えて、スタックポインタ
(SP)としての機能が割り当てられています。

あ!、「R0」は使ったら駄目なんだ・・・・・・・・・

そこで、単純に、レジスタ名を変更

    .text
    .global  _start
    .type    _start,@function
_start:

# スタックの設定(SP:__stack、USP:__stack - 128)
    mov.l       #__stack, r5
    mvtc        r5, isp
    sub         #128,r5
    mvtc        r5, usp

この修正後、今までのおかしな挙動が直った。

今まで、結構大きなプログラムを動かしていたけど、よく動いてたなぁ・・・

経験的に、レジスターセットの後ろ(R15とか)にSPを置いてあるのが普通と
思っていたから、何も考えずに、R0を使ったのが間違いだった・・・
※ソフトウェアーマニュアルを良く読まなかったのが悪いのだけど・・・

-----
RXマイコンでは、スーパーバイザーモードとユーザーモードのRUNレベルがあり、
通常はユーザーモードで動作させる。

ユーザーモードで特権命令を実行すると、「特権違反例外」が発生する。

ユーザーモードに移行するには、「rte」命令などを実行した場合に、退避してあった
ステータスレジスターを復帰するが、その際、ユーザーモードフラグが有効になって
いれば、ユーザーモードに移行する為、以下のような、少しキワドイプログラムで移
行する。

# PMレジスタを設定し、ユーザモードに移行する、ユーザースタックに切り替わる
    mvfc    psw,r1
    or      #0x00100000, r1
    push.l  r1

# UレジスタをセットするためにRTE命令を実行する
    mvfc    pc,r1
    add	    #10,r1
    push.l  r1
    rte
    nop

※PCにオフセットを加える事で、RTE命令の下に復帰する。

RX64MにSDRAMを接続する

ようやく、SDRAMのテストを開始、結線は多いが、高速な大容量外部
メモリを得られる。
デバイスだけでも512Kバイトのメモリーを持っているので、通常は十
分ではあるけど、このようなデバイスじゃないと、SDRAMを制御する
為のハードウェアーを内臓していない、又、169ピンのデバイスじゃな
いと、32ビットの外部バスをサポートしていない。
※最大のパフォーマンスを得たいので32ビットバスで動かしてみたい。

普通は、基板を起こすべきなのだろうけど、実験ではそうもいかない。
と、言っても最近では、海外のメーカーに発注すれば、基板を新規に作成
するコストは尋常じゃ無く安いので、いきなり基板を起こしてみるのも悪
くないかもしれない。

クロックが高いので、手配線では動作が難しいかもしれないが、バスに接
続するSDRAMは、CPUの動作速度の半分でしかないので、(およそ
60MHz)このくらいなら、手配線でも何とか動作すると思う。
「反射」が起こって動作が不安定になった場合は、ダンピング抵抗を調整
してインピーダンスの整合を行えば、何とかなるのでは無いかと考えてい
る。
※変換基板では、電源ラインが相対的に弱くなるのが多少気になる。

デバイスは300円(128メガビット)なのに、変換基板(Aitendo 産)
が250円するけど、他に、収まりが良く、スペースが少ない変換基板が
無かった。
img_0867s
※基板を起こす時には256メガビット品を使うと思うが、組み込み用途
のSDRAMを単体で入手(秋葉原などで)できるのは限られている。

最近は、0.5mmピッチのハンダ付けが多かったので、0.8mmピッ
チは、凄く楽だったーー
変換基板には、何故か余分な部分があるので、カットして、裏面にある謎
の端子パッドも、いつものようにポリイミドテープで絶縁、ベース基板と
直接コンタクトさせる。
img_0870s
※ピン番号のシルクが一部間違っている・・(28、29ではなく、27、
28ね・・)
※ポリイミドテープの存在を知らない時は、「紙」を貼っていた。www

まず、電源ラインを配線してから、十分なパスコンを接続、それから配線
を行った、データバスは、液晶を接続するのにも使うので、別途、コネク
ターに出す。
・電源の配線
img_0871s

参考回路(ルネサスのRX64Mボードの例)
rx64m_sdram

厄介なのは、SDRAMの場合、初期化処理を行わないと、使う事ができな
い点で、それなりのパラメーターがある、とりあえず、ベストな設定より、
必ず動作しそうな無難な設定を考えてみた。
後は、SDRAMのマニュアルと、RX64Mのマニュアルを見ながら、行
い、とりあえず、書いたデータを読み出せた~
※もっと苦労すると思っていたので、意外な感じはあるが、メモリー空間は
32メガバイトもあるので、詳細なテストを行わないと、分からない。

バス・インターフェースの初期化

    // SDRAM 初期化 128M/32bits bus
    device::MPC::PFAOE0 = 0xff;  // A8 to A15
    device::MPC::PFBCR0 = device::MPC::PFBCR0.ADRLE.b(1) |
                          device::MPC::PFBCR0.DHE.b(1) |
                          device::MPC::PFBCR0.DH32E.b(1);
    device::MPC::PFBCR1 = device::MPC::PFBCR1.MDSDE.b(1) |
                          device::MPC::PFBCR1.DQM1E.b(1) |
                          device::MPC::PFBCR1.SDCLKE.b(1);
    device::SYSTEM::SYSCR0 = device::SYSTEM::SYSCR0.KEY.b(0x5A) |
                             device::SYSTEM::SYSCR0.ROME.b(1) |
                             device::SYSTEM::SYSCR0.EXBE.b(1);
    while(device::SYSTEM::SYSCR0.EXBE() == 0) asm("nop");

SDRAM の初期化

    device::BUS::SDIR = device::BUS::SDIR.ARFI.b(0) |
                        device::BUS::SDIR.ARFC.b(1) |
                        device::BUS::SDIR.PRC.b(0);
    device::BUS::SDICR = device::BUS::SDICR.INIRQ.b(1);  // 初期化シーケンス開始
    while(device::BUS::SDSR() != 0) asm("nop");
    // 動作許可、32ビットアクセス
    device::BUS::SDCCR = device::BUS::SDCCR.BSIZE.b(1);
    // Burst read and burst write, CAS latency: 3, Burst type: Sequential, Burst length: 1
    device::BUS::SDMOD = 0b00000000110000;
    // CAS latency: 3, Write recovery: 1, ROW prechage: 4, RAS latency: 3, RAS active: 4
    device::BUS::SDTR = device::BUS::SDTR.CL.b(3) |
                        device::BUS::SDTR.RP.b(3) |
                        device::BUS::SDTR.RCD.b(2) |
                        device::BUS::SDTR.RAS.b(3);
    // 128M/16 カラム9ビット、ロウ12ビット
    device::BUS::SDADR = device::BUS::SDADR.MXC.b(1);
    // Refresh cycle
    device::BUS::SDRFCR = device::BUS::SDRFCR.RFC.b(2048) |
                          device::BUS::SDRFCR.REFW.b(7);
    device::BUS::SDRFEN = device::BUS::SDRFEN.RFEN.b(1);
    // SDRAM 動作開始
    device::BUS::SDCCR.EXENB = 1;

img_0872s

SDRAM サンプル

RX24TでLCD表示と、各種LCD

部品の整理をしていたところ、色々なLCDが出てきた。
img_0858s
※安売りでバーゲンしてる時に買ったもの。

RX24Tには、まだ液晶を接続していなかったので、RX24Tで実験してみた。

赤い基板と横長の基板は、ST7565で、小さいのは、UC1701、白い枠は、
カラーTFT液晶。
横長は、モノ128×32、他はモノ128×64、カラーは128×160となって
いる。

どのLCDも、SPIで通信するものだけど、ピンアサインが、どれも微妙に異な
る・・・
また、基本的には、電源は3.3Vだけど、バックライト用電源が異なるモジュー
ルがある。(Aitendo さん何で同じにしないかなぁ・・・)

以前に買ったLCDで、LCDの不良(仕様違い)で、使わなくなっていたやつを
交換してきた、メールで問い合わせたら、返金すると言っていたが、同等品があった
ので、交換にした。
img_0862s
このLCDは大型でバックライトもあり、なかなか良い。

同じコントローラーでもLCDによりコントラストの設定が異なるのが、多少厄介。

img_0863s
※周囲が暗いけど、小さめの赤い基板のLCD、液晶の応答速度が若干速い気がする。

img_0859s
※さらに小型のLCD(バックライト付)で、コントローラーがUC1701

他にもあるが、どれも表示は問題無くできる。

    // SPI 定義(RSPI0)
    typedef device::rspi_io<device::RSPI0> SPI;
    SPI spi_;

    typedef device::PORT<device::PORT6, device::bitpos::B1> LCD_SEL;    ///< LCD 選択信号
    typedef device::PORT<device::PORT6, device::bitpos::B2> LCD_A0;     ///< LCD レジスター選択

#ifdef LCD_ST7565
    // ST7565 drive
    chip::ST7565<SPI, LCD_SEL, LCD_A0> lcd_(spi_);
#endif
#ifdef LCD_UC1701
    // UC1701 drive
    chip::UC1701<SPI, LCD_SEL, LCD_A0> lcd_(spi_);
#endif

「LCD_SEL」はLCDの選択信号
「LCD_A0」は、LCDの制御レジスター切り替え

LCDの切り替えは、インスタンスを代える事で行う。
「spi_」は、SPIを制御するクラスで、コンストラクター時、参照で受け取るよう
にしてある為、SPI の制御をシェア可能になっている。

LCDのコントラストは、LCDのスタート時に(初期化)設定する。

    lcd_.start(0x00);

※大きいタイプは0x10程度、他は、0x00くらいだった。(LCDにより調整
が必要なようだ)

RX24T、LCDサンプル

R8C関係、テンプレートライブラリのアップデート

R8C、RL78、RXマイコンと、実装を重ねた結果、色々と新しい試み(
判りやすさ、正確性、共有性、性能)が導入されて、昔に実装した、R8C関
係のテンプレートライブラリの完成度が相対的に低下している状況となってい
る。

ここらで、最新の実装方法を、R8Cにも反映するべく、アップデートを大々
的に行った。
この改修は、I2Cや、SPIデバイスの制御クラスを全てのプラットホーム
で共有する為の準備でもある。
また、デバイスのフラッシュ書き込み関係プログラムも改修を行った。

I2C、SPIインターフェースの完成度が低いので、その辺りも、RL78
やRXと同等な実装に切り替えた。

かなり大掛かりな手術となったが、一応完成した、これで、各プラットホーム
で、外部デバイスを共有する事が出来ると思う。

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以前にアマゾンで、LEDドライバー、マキシム社のMAX7219を買った。
MAX7219 7セグLED×8

部品単体で買っても1000円する(これは、高すぎるが・・)ので、とても
CPが高い。
一般的に、多数のLEDを接続するには、ポートや、電流容量の問題で、ドラ
イバーを入れなくてはならないので、それが簡単に接続できる。
ただし、電源は5Vなので、3.3Vのデバイスに接続するには、別途電源が
必要と思う。
そこで、電源電圧が自由に選べるR8C/M120ANで、5Vで駆動により、
接続実験を行った。

img_0857s

輝度をプログラム出来るとか、電流制限抵抗が少ない、デージーチェインできる
、ダイナミックスキャンが行われているなど、かなりユニークなデバイスで、取
り扱いが簡潔で良い。(少量でも安ければ良いのだけど・・・)

MAX7219サンプル

MAX7219制御クラス