PCオーディオ(その2)

さて、部品が揃ったので早速組み立てです。

今度は、以前の失敗で懲りて、全部ソケットを使います、「直」に載せると、余分な工程が無くて、作業が速いのですが、前回のように壊すと、どうする事もできずに、作り直しですww
ソケットを使った事で、ソケットと変換基板下のスペースを有効活用できます。

とりあえず、丁度良い大きさのユニバーサル基板があったので、それにPCM2704を標準的な回路で組んで、PCに接続して、認識する事を確認しました。
※オーディオを再生させて、信号が正常な事をオシロスコープで確認しました。

次に、CS8416関係ですが、SSOPでも幅が狭くて、秋月の変換基板ではパッドの部分が不足していたのでダイセン電子の変換基板を使います、ただ、この基板の横幅は、600ミルでは無く、通常の28PINソケットが使えません。
一般的なソケットでは無く、ヘッダーピンにしたので、基板下のスペースをさらに有効に使えます、PLLのフィルターは、このスペースに配置しました。

・オーディオマニアが陥る霊感商法
USB に繋いだオーディオ機器は音が悪いとされます、それを改善する為、1本数万円の高価なケーブル(霊感商法と何ら変わらないと思います)まで売っています、確かに、電源ラインには、PCで発生したスイッチングノイズが乗っており、これらが音質に与える影響はあるかと思いますし、USB一口では、500mAの電流しか取れませんから、別に電源を取りたいと考えるのでしょうが、設計してみると、ヘッドホンアンプと、USBデバイス、D/Aなど諸々で、500mAあれば十分ですし、可聴範囲のノイズは聞こえない程度に取り除けば良い事です。
USB の信号は差動のデジタル信号で通信を行なっており、ケーブルの品質がある程度あれば、値段の差による音の違いは無いと思われます、ブラインドテストをすれば、ハッキリすると思いますが、数万円のケーブルと、ダイソーで買える100円のケーブルに何の違いもありません、デジタルデータは、価格の大小に関係無く、完璧に転送できますし、USBオーディオの仕様や仕組み、その他必要な知識も無い人が、ジッタの影響とか、欠損するデジタルデータとか、論理的裏付けの無い技術論は滑稽で仕方ありませんww
数万円のケーブルは抵抗が低くて、100円で売っているケーブルより優れていますが、何十メートルも伸ばす訳ではありませんし、デジタルデータは差動信号による半二重のパケット通信です、デジタルデータは欠損無く通信できますし、エラーコレクションもありますからデジタルデータの欠損は通常ありません、もしあるようなら、USBのクライアントとして認識できなくなります。
影響を与えるのは電源ラインだけですが、それも、500mA程度ですから、ある程度のゲージを使った銅線であれば問題無いレベルです。

しかしながら、それでも、人知の及ばない何かが作用して、月の満ち欠けだとか、微弱な電磁波とか、何か影響’を与えるかもしれませんが、「ダブルブラインドテスト」でもやって、それで80%以上の確からしさでも常にマークしない限り、そんな戯言を信用する訳にはいきません。

USB_AUDIO

・OP-AMPの電源は、+-12VのDC/DCを使っています。
・ヘッドホンアンプには、+-5VのDC/DCを使っています。
・DACには、低損失の5Vレギュレーター
※USBの電源は、通常5.2V程度ありますので、三端子レギュレーターで5V、及びロジック用などに3.3Vを生成しています、高周波のノイズを落とす為にフェライトビーズを入れています。
・とりあえずの実験用なので、とりあえず、ボリューム用二連の10Kを使っていますが、最終的にはデジタルボリュームに変えたいと思います。

さて、ネットにある色々な回路を観ると、多くの方が、非常に大きなコンデンサー(オーディオ用)を電源に入れていますが、果たしてそんな大きな容量が必要でしょうか?
※低ESRのコンデンサーは効果があると思います。

例えば、よく使う三端子レギュレーターは、入力側に0.1uF、出力側に10uF程度入れれば、十分なレギュレーションが得られるように設計されています、もちろん流れる電流のダイナミックレンジにより発生するリップルは変化しますが・・・
また、OP-AMPは電源の変動を出力に出さない為の工夫が色々施されていますから、多少のリップルが乗った場合でも、それが出力に現れる事は少ないのですから、大きなコンデンサを入れる意味はあまり無いと思います。

視聴しながら、テストする場合でも、大きな容量を入れた場合と、標準的な容量(データシート推奨の容量)を入れた場合で、ブラインドテストを行い、85%位以上の人が検知出来ないのなら、標準の容量で十分なハズです。
自分でテストするのでは、客観性に欠けますし、精神状態が変われば、結果も変わりかねません。
明らかに違う場合は別ですが、それは、何か根本的に間違っているとしか思えません。

測定器を使って、「大きな容量のコンデンサを入れるとリップルが少なくなる」と言う人もいますが、多分検知できる程のレベルでは無いと思います。

よって、コンデンサーの容量は、適切な値にする事が最も適切で、最大の効果を得る早道だと考えます。

今回の試作では、電解コンデンサーは低ESR品の100uFが二個で、残りは0.1uF~47uFの積層セラミックコンデンサーです。
ボーカロイドからクラシック、ロック、J-POPなど色々なジャンルの音を出してみましたが、現状でも十分な感じがしますが、これから、一応、測定を行い、それにより改修を行う必要はあります。
まぁ、測定を始める以前に音がまともでなかったら無駄ですからー

回路図に起こすのはこれからですーー

PCオーディオ(その1)

最近、自宅を離れ、渋谷に通って仕事をしていますがー、そこで支給されているPC、DELL製のそこそこ高速なヤツです。
※Corei7の2.8GHzとか

作業は共同作業なのですが、周りの雑音を聞きたく無い時は、イヤホンで音楽を聞きます、iPhoneから聞いても良いのですがー、気晴らしに観るYouTubeとかニコニコの動画はPCで観るので、差し直すのはメンドイしでPCで音楽も聞きたいのですがー、「音」が最悪ですー、DELLに限らず、メーカー製のPCでも、フロントパネルに出ているイヤホンジャック、かなり劣悪の品質と言わざるをえません、PCの電源ノイズがモロに乗っているし、長時間の視聴には耐え難いものがあります。

ならば、USBのオーディオインターフェースでヘッドホンアンプ付属の適当なやつをと思ったのですがー、安いやつは、チープな音しか出ないし、コンパクトで、高音質なやつは値段も高いと言う事で、色々考えているうちに、「自分で作ればいいんじゃね?」
と言う、いつものパターンに突入しましたww

丁度、秋月で、TI製のUSBオーディオインターフェース(PCM2704)を売りだしたので、1個買っていそいそと試作してみましたー

PCM2704は、ヘッドホンを鳴らす為のアンプも内蔵しており、このチップだけで、ヘッドホン出力が提供出来るものです、しかし、内蔵アンプは単一電源で動作する、簡易的な物で、音も期待するまでもなく、それなりの音しか出ませんし、出力も小さく、とても、自分が要求するようなレベルの物では無い事が直ぐに判りましたー
色々回路をいじっているうちに、誤配線をしてしまい、あっとゆーまに燃やして、お亡くなりになりましたー、半導体独特の燃えた匂いを嗅いだ時は、何ともいえない、気分です・・・・・・
※虚しいやら、ムカツクやら

PCM2704 試作
PCM2704 試作

※使える部品は再利用の為取り外している

最初は、1000円くらいで、そこそこ納得のいく音が出ればイイくらいに思ってましたがー、「自分のミスによる大きな損失」が次のやつを「ちゃんと」作るモチベーションに変わりましたー

そこで、ネットを探してみると、DAI(デジタルオーディオインターフェース)、D/Aコンバーターの製作例は多くて、みなさんハンパ無い投資をしている人もいますww
自分は、「まともな音」が聞ければ良いので、自分の考える範囲で、部品をセレクトして、発注してしまいました。

PCM2704(TEXAS INSTRUMENTS)
※USBからオーディオデータを取り出すのは、とりあえず、この石です、最大48KHz16ビットと最低限のものですがー、探しても、市販されているデバイスで、入手可能な物は、ほとんど無く、とりあえず、このデバイスで「良し」としました。
TENOR社にTE7022Lと言うデバイスがあり、96KHz/24Bits が可能なようですが、入手先を見つけられませんでした。
USBオーディオの標準デバイスとして、192KHz/24Bitsをサポートするのは、自分で組むしかなさそうです。(USB2.0をサポートした、デバイス
を備えた、マイクロプロセッサとFPGAが必要な感じです)

CS8416(CIRRUS LOGIC)
※PCM2704はアナログ出力の他に、S/PDIF信号も出力します、CS8416は、その信号をデコードして、D/Aコンバーターに必要なクロックと、データ信号を出力します、PLL回路や、オーバーサンプリングに必要なロジックも内蔵していて、最大192KHz、24ビットを扱え、外付け部品も少ない優れものです。
S/PDIF入力は、何系統かありますから、USB、光、COXIALなどを備えて切り替えが出来れば、D/Aコンバーター付きヘッドホンアンプとして使えます。

PCM1798(BURR-BROWN/TEXAS INSTRUMENTS)
※バーブラウン社は、デジタルオーディオ関係のデバイスの製造で有名な会社ですが、今はTIの傘下となっています。
このD/Aコンバーターは、192KHzのサンプリングで24ビット出力が可能な物です、ファミリーとして、さらに高性能なPCM1794と言う、最高ランクのD/Aがあり、マニアの間では、それを使うのが一般的のようですが、コストが倍以上しますし、PCM1794の性能を引き出すには、周辺回路にもかなりコストをかけないと、意味が無いので、今回は見送る事としました、データシートを読む限り、このデバイスでも、相当優れた性能を出せる事がわかります。

OPA2604(BURR-BROWN/TEXAS INSTRUMENTS)
このOP-AMPも、バーブラウン製です、高速、ローノイズ、低歪の高性能アンプです、スルーレートがなんと25V/usもあります。
秋月で300円ですが、それを調べる前にDigiKeyで370円で沢山買ってしまいました・・・(かなり痛いです・・)

TPA6120(TEXAS INSTRUMENTS)
ヘッドホンアンプは、まともな物を作ろうと思うと、意外と難しいです、色々と各社からICは出ていますが、どれもこれも、チープな物ばかりで、「本物」がありません、「ベスト」は、ディスクリートで組むべきでしょうが、スペースとコストを考えると、それも無理です、そんな時、見つけました、良さそうなのが・・
電流帰還型で超高速(1600V/us)、非常に大きなドライブ能力(低インピーダンス)、低ノイズ、オフセット電圧も小さく、+-両電源なので、カップリングコンデンサも必要ありません。
値段も600円程度と、まさに理想的。

これら部品と諸々で合計で5000円程度。

続く~